4話 「自称ビジネスパートナー」
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緒にいて飽きることのない活発さを発揮している。
「今日はブラッドがいなかったから久しぶりに携行砲のチューンをやってたんです!明日のリメインズで新機能を見せてあげますね?」
えっへん、と胸を張って自慢げな彼女だが、その携行砲に俺は今まで助けられたり迷惑をかけられたりとあまりいい思い出がない。主に火力が高すぎて壁を貫通してしまったり、周辺が倒壊して生き埋めになり掛けたりだ。
「だからダンジョン内で大砲をぶっ放すような真似はするなと……」
「大丈夫ですよぉ!ブラッドさんが埋まったらちゃんと助けてあげますから、ね?」
「お前なら助けるために瓦礫に大砲をぶっ放しかねないのが怖いんだよ」
「………さあさあ!急いで宿に戻って夕ご飯にしましょう!皆きっと待ってますよ!」
そう言うや否や、少女は俺の手を引いて町を歩きだした。
何だその沈黙と急な話題転換は、と眉をひそめる。さては図星だったと見える。が、ここで追及するとへそを曲げてさらに面倒になることは知っているのでその場では素直に従った。
その姿は親を引っ張っている子供のようでもあるが、実際にはその逆。
「おい……子供じゃないんだからいちいち手を引くな、カナリア」
「私から見ればブラッドさんは子供ですもーん。別にいいじゃないですか?」
にかっと笑う彼女にため息が漏れた。
(この見た目で72歳だって言うんだから、本当に納得がいかん……)
ガゾムと言う長寿の種族であり、限りなく子供に近い年長者。
それが彼女、カナリアという少女である。
「今日あったこと聞かせてくださいね、ブラッドさ〜ん♪」
「分かってる、分かってるから引っ張るんじゃない」
相も変わらず破天荒なばあさんだ、とブラッドは思う。
この元気なばあさんが本当は「復讐鬼」だと知ったら、周囲はどんな顔をするのだろう。
カナリアは大切な人の復讐のために全てを擲ってここに来た。
ブラッドリーは空白の渇きを癒すために血と戦いを求めた。
つまるところ、マーセナリーと言うのは――屑の集まりでしかない。
= =
リメインズの周囲には、必ず条約締結国が共同で出資した町が用意されている。ここ、第四都市もその一つ。なお、デルタとは古代文字の第4字母であることを由来としている。
この町はいつ来るともしれない魔物の大進行が起きた時に、その第一波を防ぐための前線基地となる役割を持っている。とはいっても立地的にはさほど利便性の高い所ではないため、実質的な住民はマーセナリーとその関係者以外は殆どいない。
余所者といえば商工業同盟の出資するいくらかの店があるのみだ。
つまり、これらの町は事実上マーセ
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