空白期 中学編 07 「レヴィのお返し」
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た気がするのだが。それがなくても手元にパンフレットがあるのだから調べることは可能のはず。もしかして遊園地の目玉と言えそうなジェットコースターや観覧車といったものばかり調べていたのだろうか。
……いや、そんなことはどうでもいい。これはある意味チャンスだ。
中央にある装置に触れさせなければ、ここで無駄に疲労することはない。それに俺は、あまり遊園地に来たことがないので惚けることは可能と言える。今後のことを考えれば、ここで選ぶ道はひとつ……
「それは……まあ簡単に言えば、クルクル回りながら移動するアトラクションだ。目の前にあるそれを回せば、回転が速くなる」
「なるほど〜、ありがとう」
教えた俺を馬鹿だと思う奴はいるかもしれない。正直俺も自分のことを馬鹿だと思っている。
けれど、今日の俺の役目はシュテルの代わりにレヴィの面倒を見ることなのだ。あいつが望むことは、レヴィに心から楽しんでもらうことのはず。ならば代わりを引き受けた俺が疲れるからと逃げてはいけないだろう。
それに……説明しただけで嬉しそうに笑ってくれるんだ。この顔を何度も見れるのなら、今後のことを考えてもお釣りが来る。……まあ、楽しい思い出だったと思えるのは明日以降かもしれないが。
「あ、動き始めた…………遅い」
「いや、別にこれはこれで良いんじゃ……」
俺の言葉を遮るように力強く握られるコーヒーカップの装置。それを見た俺は、内心でため息を吐きながら覚悟を決めた。直後、レヴィは凄まじい勢いで装置を回し始める。
徐々にだが確実に加速していく。きちんと見えていた景色は少しずつぼやける。きちんと見ることができるのは、向かい側に座っているレヴィだけだ。彼女はテンションの高い声を出しながら、さらに装置を回し続ける。
…………結果。
言うまでもなく、俺は酔ってしまった。この感覚を味わうのは、幼い頃に車の中で本を読んでしまったとき以来だろうか。訓練で体を鍛えたり、縦横無尽に飛行していたせいか、それから乗り物に酔うことはなかった。正直予想していたよりは気持ち悪くはない。
しかし、10年以上味わっていなかった感覚なのだ。予想よりもマシというだけで、気持ち悪いことには変わりはない。アトラクションから降りた後は、全員に付き添われる形で近くにあった長椅子に腰を下ろした。
「ショウくん、大丈夫?」
「あぁ……」
隣に座っているレヴィが自分を責めていそうな顔をしているので、大丈夫だと口にしたものの……何とも非力な声だ。これではかえって心配を掛けるだけだろう。俺の考えを裏付けるように
「わたし、お水と袋持ってきます!」
「え、ちょっユーリ!? あぁもう、私も行く。レヴィ、ショウくんに付いててね。絶対ここを離れちゃダメだよ!」
と、ユーリとなのは
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