空白期 中学編 07 「レヴィのお返し」
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リ」
なのはとユーリは駆け足で追いかけてくる。
ユーリは疑問の表情を浮かべていたが、遊園地が楽しみなのか笑顔になる。顔を見ただけではレヴィより落ち着いて見えるが、内心は俺が思っているよりワクワクしているのかもしれない。
なのははというと、俺と視線が重なるとすぐに逸らした。やっぱり避けている、と思ったが、すぐに視線を戻して苦笑いを浮かべる。視線の動きから察するに、繋がっている手を確認したのだろう。苦笑いなのは「大変だね」といった感情の表れかもしれない。
「それでレヴィ、まずは何に乗るんだ?」
「うーんとね……あれ!」
レヴィが元気良く指したのは、ジェットコースター……といった定番ではなく、まさかのコーヒーカップだった。コーヒーカップというアトラクション名で良いかは分からないが、正直俺も遊園地にはほとんど来たことがないのだ。
確か……あいつの足が治ってから何度か行ったくらいだよな。義母さんとはこういう場所に来た覚えはないし。
このことを人に言うと可哀想に思われるかもしれないが、俺は別に遊園地であまり遊んだことがないのが不幸だとは思わない。それくらいのことを不幸と言っている連中は本当の不幸を知らないのだろう。
フェイトやはやては過去の事件で……すぐ傍にいるなのはも、少し前に任務中に堕ちて重傷を負った。再び歩けるようになるかどうか危ぶまれるほどの……。
それでも……なのはは諦めたりはしなかった。
過酷なリハビリを乗り越え、今こうして歩き笑っている。俺は彼女を含め、身近にいる人間を守りたい。笑っていてほしいと思う。だから技術者としての道を進みながらも、訓練を怠らないのだ。まあ俺の守りたい連中は、基本的に俺に守ってもらう必要がないほどに強いのだが。
「お、ようやくボク達の番だね。みんな、さっさと乗ろう」
「ちょっと待て、ここは2人ずつに分かれて乗ろう」
そう提案したところ、3人から疑問の眼差しが向けられる。
あまり遊園地に来たことがない俺でも、コーヒーカップがどういうアトラクションくらいかは知っている。これまでの経験からして必ずレヴィは、最高速度まで回すはずだ。それで彼女がぐったりしてくれれば、ある意味儲けものだが……ほぼ間違いなくそれはありえない。
ここで全員くたばってしまっては、いったい誰がレヴィの面倒を見る。ここは俺が犠牲もとい一緒に乗るのが最善のはずだ。
視線でなのは達に訴えると、こちらの意図を汲み取ったのか頷いて手振りで応援してくれた。レヴィにはせっかく人が少ないのだから、といった適当に言って丸め込んだ。
「ねぇショウ」
「ん?」
「これってさ、どういうアトラクションなの?」
知らないのにこれを選んだのかこいつは……。
俺の記憶が正しければ、昨日事前に調べてい
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