空白期 中学編 07 「レヴィのお返し」
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、何かの弾みで顔や腕が触れてしまった可能性はある。もしやってしまっているのであれば、今すぐにでも謝罪したい気分だ。しかし、なのはの様子からすると、寝ている間のことを話題にすれば間違いなく誤魔化そうとするだろう。
どうしたのものか……。
と、考え始めた矢先、不意に背中に何かが触れた。大きくて弾力がある、認識した直後、視界に現れる2本の腕。肩に重みが掛かったと思えば、耳元で駄々をこねる子供のように声が響く。
「ねぇねぇ、早く入ろうよ〜。遊ぶ時間がなくなっちゃう」
一連の言動や消去法からも分かるとおり、俺に背中から抱きついているのはレヴィだ。これまでに何度も抱きつくなと言ってきたはずだが、全く直る様子がない。
「レヴィ、離れろ」
「なんで?」
「何でって……」
出会った頃ならまだしも、今は周囲に誤解を与えかねないからだ。と、言ったところでレヴィが理解するはずもない。
あぁもう、何でこいつの精神年齢は出会った頃から変わらないんだ。さっき考えたことのせいか、背中に当たってるものを余計に意識してしまうし……なんて考えてる場合ではない。
「さっさと入って遊ぶんだろ?」
俺の問いかけにレヴィは、一瞬きょとんとしたがすぐに満面の笑みを浮かべて返事をしてきた。
これで解放される、と思ったのもつかの間、レヴィは今度は俺の手をしっかりと握ってきた。抗議の眼差しを向けてみたものの、彼女は首を傾げるだけ。「これがボク達のデフォルトでしょ?」と言われた気分だ。
内心ではダメだろうと思いながらも、とりあえずレヴィに訴えてみることにした。
「なあレヴィ……」
「うん?」
「……いや、何でもない」
周囲の目を考えてなのはと繋がないか、と言おうと思ったが、もしそれで彼女の元にレヴィが行ってしまったら……近いうちにぐったりしている姿しか浮かんでこない。
この中で1番体力があるのは俺だろうし、シュテルの代わりを引き受けたのは俺だからな。レヴィの面倒見の大変さを考えると、押し付けたくもなるが押し付けるのは申し訳ないとも思う。ふたりの性格的に俺が大変そうにしてたらフォローしてくれるだろうし、それだけで充分か。
知り合いに見られた場合のことを考えると面倒臭くもあるが、なのはも一緒に証言してくれれば、すぐに沈静化するだろう。フェイトには申し訳ないと思うが、これまでにレヴィのせいで面倒事になったことはあるのだ。彼女ならばきっと分かってくれる。
「なにょはにユーリ、行くよ〜!」
「あっ、はい、いま行きます……なのはさん?」
「ううん、何でもない大丈夫……」
「本当ですか?」
「うん……ふと思っただけだよ。人間って慣れる生き物なんだなって」
「……? 環境適応能力の話ですか?」
「何でもないよ。行こうユー
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