1部分:第一章
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女の子はまたにこりと笑って彼等に言うのだった。
「それでね」
「ああ」
「今度は何だよ」
「私も入れてもらっていいかな」
そのにこりとした笑みと共にこう言ったのだった。
「えっ、御前も雪合戦するのかよ」
「雪大好きだから」
それが彼女の言葉だった。何気ない言葉に聞こえる。
「だからね。いいかしら」
「まあ別にな」
「俺達はなあ」
英行も他の子供達もそれに応える。別に入れても悪くはない。だが何故か心の中で妙なものを感じ続けていたのである。
それで英行が尋ねた。彼女に対して。
「なあ」
「今度は何?」
「御前さっき雪が好きだって言ったよな」
「ええ」
またにこりとした顔で頷いた。
「そうよ。一番好きなのよ」
「何でなんだよ」
彼はまた問うた。
「雪が好きなんて。そりゃさ、俺達だって好きだよ」
子供は雪が好きだ。これを使って遊ぶからだ。思えばただそれだけのことできっと彼女もそうなのだろうがどういうわけか引っ掛かるものを感じ続けていたのだ。
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