番外21話『かみなりに打たれて』
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いう罪はこの国では第一級犯罪に値するぞ! この俺に手を出すことは……いいかっ! 全能なる神への宣戦布告を意味するのだ!」
「口を閉じろ、風味が逃げる。例えばコショウを最高のミニョネットに仕上げたければ大切なのは強く粗くためらわず砕き切ることだ――」
神官の言葉を全く気にも留めずに、サンジが淡々と言葉を続け、技のモーションに入った。
「うわ! ばかめ! やめろ! お前らの仲間の一人も俺たち神官に手を出して神に裁かれたんだぞ! お前らだって神に裁かれることになるんだぞ!」
「ん、ハントのことか? ししし、ハントがお前らなんかにやられるか」
「――そうすれば閉じ込められた風味はこれによって一気に開放する」
サンジがその身を空に躍らせた。何度も何度も、凄まじい勢いをもって体を回転させる。
「あ! あ! あ! やめろ! やめろ! 痛い! 痛いからやめろ!!」
まったくもって自分の言葉に耳を傾けないルフィとサンジ。神官ももうこの二人が止まらないと悟り、それでも願いを込めて言葉をつづける。が――
「――粗砕!」
神官の脳天。
サンジの蹴りが振り下ろされ、勝負が決した。
ところかわってゾロ一行。
生贄の祭壇で船ごと閉じ込められており、本来ルフィたちによる救出を待つだけの身のはずだが残念なことにというか当然なことにというか、彼らが大人しく船でただ待つという選択肢を選ぶはずがなかった。
チョッパー一人をメリー号に残し、ゾロ、ナミ、ロビンはアッパーヤードを探索し、そして既にとある発見にまでこぎつけていた。
「ここは引き裂かれた島の片割れ。この島は……ジャヤなのよ」
青海の『ジャヤ』でモンブラン・クリケットから聞いた有名なモンブラン・ノーランドの話を思い出し、ナミが結論を震えた声で言う。
「かつて、地上にあって……ノーランドが確認した黄金郷は海に沈んだわけじゃない……400年間、ジャヤはずっと空を飛んでいたんだ!」
そう、彼らがたどり着いた空のこの島アッパーヤードは黄金郷、黄金の眠る島。
ナミの喜びの声が島に響いた。
海賊麦わらの一味がこの空島で新たな目的を見つけた瞬間だった。
「……っつつつ」
目が覚めた。
体を起こすと、全身がピリピリと痺れていて動かしづらかった。周囲を見回して、ここには誰もいないことを確認。
ん、なんで俺はこんなとこで寝てたんだ?
「……」
思い出す。
確か、変な奴らと喧嘩しててとりあえず一人を魚人空手でブッ飛ばそうと思って……それから――
「――思い出した」
いきなり雷に打たれたんだ。
しかも、2回。
1回目は小規模で、2回目は大規模。
別に空は曇ってなかったし
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