番外21話『かみなりに打たれて』
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ら、というわけではない。事実その隙に4人の男が攻撃してくるわけではなく、彼らは一斉にハントから距離をとって後退していく。
この意味に、体がしびれて動かなくても見聞色の範囲だけは広げ直していたハントは気づいた。
光の出どころと、次の瞬間に何が来るかを。
先ほどの光を受けて数秒。ハントの体が遂に痺れから開放されて、ここでどうにか動き出す。
「くっ――」
が、既にそれは放たれた瞬間だった。
回避することはおろか、悪態をつく時間すらもなかった。そんな一瞬の時間で、最低限に武装色で防御力を高めることをやってのけたのはことは流石といえば流石だろうか。
だが、次の瞬間――
「がっ゛!?」
――先ほど、ハントを貫いた光。それとは比較にならないほどに大きな光がハントへと降り注いだ。
いくら一瞬であまり強く纏えなかった武装色の覇気とはいえ、まるで紙か何かのように、それはいとも簡単に武装色ごとハントの体を貫いた。
「がみ゛……なり゛……かっ゛」
その身に光を受けて、正体をやっと把握したハントだったが、それが限界。
この言葉を最後に意識を失った。
神の住む土地、アッパーヤード。
つい一瞬前まであった騒ぎが、人が倒れる音を最後に静かになった。
ハントが気を失っている間にももちろん時計の針は進んでいく。
ルフィたちはベレー帽をかぶったホワイトベレー隊に逆らったことで第二級犯罪者を言い渡されてしまっていた。
第二級犯罪者は神の島『アッパーヤード』の神官たちによって裁かれる。現在、麦わらの一味は空島の者たちの手によってメリー号にいたゾロ、ナミ、チョッパー、ロビンの4名とその彼らを追いかけるルフィ、ウソップ、サンジの3人との2組に分かれることとなっている。。
ゾロたちの乗るメリー号は神の島『アッパーヤード』の生贄の祭壇に連れ去られてしまっているためルフィたちは神の島『アッパーヤード』に真正面から入り、彼らを取り戻さなければならない……もちろん連れ去られた側のゾロたちがそこで大人しくしているかどうかは別の話だが。
ともかく、彼らはハントが気を失っている間にもそれぞれの戦いを始めていた。
現にルフィ、ウソップ、サンジは神官の一人――ハントが戦っていた男たちのうちの一人でもある丸い男――との死闘を繰り広げている。
「やめろ! バカめ! 俺は神に仕える神官だぞ! 離せ!」
その戦いも既に終盤。
ルフィが丸い男をゴムの体でぐるぐるに巻いて身動きをとれなくしている。ルフィに羽交い絞めにされ、サンジに狙いを定められているこの状態にさすがに身の危険を察知したか焦った様子で口を開き続ける。
「おい、聞いているのかっ! 神官に裁かれないと
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