番外21話『かみなりに打たれて』
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ようとする。
「ふっ」
もちろん、その動きをハントは把握している。軽く息を吐きだしたかと思えばその場から左足を軸にして半回転。右足が孤を描いて、要するに後ろ回し蹴りが丸い男の頭部を襲って、その男を回転させながらも吹き飛ばした。
「……雲!?」
今までになかった攻撃にも、見聞色で気づく。
気づけば腕組みの男がハントめがけて雲を投げつけていた。沼雲とよばれるもので、これを頭部に受ければ逃れるすべはなく窒息死してしまうというものだ。とはいえこれの飛来速度は決して早いものではなく、追跡機能があるわけでもない。
慌てずに、ハントはこれを避けて見せてそのまま疾走を開始。
雲を投げてきた腕組みの男へと殺到。次の瞬間には誰かに攻撃されることはないと見聞色で察したハントはまずは一人をここで沈めてしまおうと魚人空手を放とうとその構えに入る。だが――
――っ!
察した。
何かが来る。
それはもちろんハントに蹴り飛ばされて怒り心頭の二人の男によるものでもなければ、たった今向かって来ようとしたハントに対抗しようと迎撃準備を整えた腕組みの男によるものでもないし、隙を見計らっているサングラスの男とその犬によるものでもない。
この場にいる誰でもなく、つまりこの場の人間のものではない。
目の前の彼らに集中していたハントに気付くはずのない地点からの攻撃。本来ならば気づけずに直撃していてもおかしくはないほどのその攻撃が、最小限の範囲で見聞色を発動していたハントの網にかかった。
察したハントが、慌てて回避運動をとろうとして、だがその何かはハントの反応速度でどうにかなるような速度ではなく、それが来ると気づいた時にはもう遅かった。
そう、ハントはもっと警戒するべきだったのだ。大きな光の柱をふらせたのは誰かを、そしてその手段も。それを安易な考えで、周囲にはそれを出来そうな人間はいないから、という理由だけで己をも脅かすほどの一撃への警戒を解いた。脅威を探ることをやめたのだ。
ハントの敗因は見聞色の範囲を広げたままにしておかなかったこと。光の一撃を放った人間は周囲ではなく、もっと遠いところから撃ってくる人間だという可能性を考えなかったことだ。
だから、そこからはもう必然の結果だった。
「っ゛!?」
どこから飛来したのか、一筋の光がハントに直撃した。
回避も、武装色で身を固めることすら間に合わない。決してハントが油断していたわけではない。だが、それでもその一撃でハントの足が止まった。
――体が……しびれっ……やばっ!?
謎の光により体がしびれて動かない。体がしびれたことでやばい、とハントは感じているわけだが、もちろんこれは4人の男たちにこれから襲われるか
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