第一部 学園都市篇
第4章 “妹達”
八月一日・夜:『黒夜』
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必ず、殺す。
刹那、殺意が膨れ上がる。心得のある者であれば、誰でも分かるほどに。それこそ、開戦の意思表示の如く。
傍らのフレンダが、一瞬身を固めた程に。それは、正しく一騎討ちの前問答のようであり。
「た────助けて!」
「「「────!!!」」」
闇の中から走り出てきて嚆矢に真正面から抱き付いた、白い上着に一部を金髪に染めた黒髪の少女より掛けられた、その声への純粋な驚きであり。
または────
「「「「「オォォォォォォォォォォォォォォォ………………………………………………………………」」」」」
闇の中から、よたよたと這い出るように現れた、野良犬を思わせる特徴を持った五人の『異形』への驚きであった。
その手には、何やら理解しない方が良い物がちらほらと。
「ちょ……なに、あいつら。どう見てもヤバイんだけど」
「……ふむ、どうやら『屍食鬼』か。厄介ではないが、面倒よな」
「ぐ、『屍食鬼』……なにそれ? いや、ゲームとかで聞いた事はある訳だけど」
忌々しげに口走った市媛に、フレンダが困惑した台詞を。対し、嚆矢と最愛は臨戦態勢を取る。
嚆矢は召喚した“圧し斬り長谷部”を腰に佩いて少女を背後に、最愛は『窒素装甲』を全身に纏いながら。
「成る程ねェ、道理で此処はァ!」
「随分とォ、静かな訳ですねェ!」
待ち望んだかのように眼光鋭く睨み付け、口角を吊り上げながら────!
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