第13.5話 終戦のクサナギ
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しさを少し増やして返せば
相手は渡した物より少し多く嬉しくなる。
それが大事だって、教えられたんです」
成程、二人を助けたお礼として家を提供するのか。
(その内返せなくなりそうだけど‥‥)
絶対、後先考えずに言ったな。このセリフ。
「でも、ジョンはどうするんだよ?」
それなら、おれ達と共に戦って来たジョンはどうなのだろう。
「ジョンさんは行くべき国があるんでしたよね?」
突然に話しを振られて、少し焦っていたが
すぐに彼は答えてくれた。
「あぁ、俺はサウジアラビアに用があるんだ」
「サウジアラビア?」
セキレイとハトの頭の上に?が浮かんだ。
それに気づいたのかアレックスはバックから地図を取り出した。
そこに描かれていたのは、2000年代の姿からは想像できない程
陸の面積が減った、合計35ヶ国の載った地図であった。
「おぉー!それが外の世界の地図かぁ」
「はい、サウジアラビアは‥‥‥あっ、ありました、ここです」
彼は一点を指さしたままセキレイに地図を渡した。
セキレイはそれを覗き込んだ。
「この‥‥‥エジプトって国の隣にあるデカいのがか?
つーか、そもそもここはどこなんだ?」
そう問われたので、サウジアラビアを指した手を外して
アメリカの国土を指さした。
「ここは“アメリカ”です。ほら、右側にある大きな国です」
「これか。ホントにデカい国ばっかだなぁ」
大国ばかりなのではなく、大国しか残らなかったというのが
この世界の自然の摂理による結果である。
それ以外の国々は″鎧虫″によって、陸面もろとも
完全に滅ぼされてしまったのだから。
「じゃあ、おばちゃんとカイエンはどうするんだ?」
「ワシらは、ヨーロッパにでも行こうと思っとる」
セキレイの問いにカイエンはすぐさまそう答えた。
ハトはそれを聞いて少ししょんぼりとした。
「おばちゃんとおじーちゃんがいなくなっちゃうのは
‥‥‥‥‥‥‥‥少し寂しいなぁ」
「大丈夫よ!」
ガツッ!
「ふわわっ!?」
ハトはカツコに両方の頬を摘まれた。
彼女の柔らかい頬が横にニョ〜ンと伸びている。
それは、とても愛らしい状態だった。
カツコはそれを見て笑いながら言った。
「私たちはしばらくここにいるから大丈夫よ!
後でたくさん主婦の秘技を教えてあげるからね!」
少しの間キョトンとしていたが
すぐに気の抜けたような、とろけそうな笑顔がこぼれた。
「‥‥‥‥‥‥うん!」
そして、頬を摘まれたまま大きくうなずいた。
カツコはそれを確認してから両手を離した。
「じゃあ、早速行くわよ!」
「おーーっ!!」
二人はそのまま森の奥に向かって
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