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鎧虫戦記-バグレイダース-
第25.5話 憎しみの記憶
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彼は涙を拭った。

「″皇帝″であるあなた様が何故、急に涙を流されたのですか?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

またしばらく黙り込んでいたが、ようやく口を開いた。

「少し、昔の事を夢見ていた‥‥‥‥」

女性はその一言を聞いて、安堵によるものか微笑んだ。

「たいそう素晴らしい夢だったのですね」
「‥‥‥‥‥‥‥‥あぁ」

彼も笑った。

「かけがえのない素晴らしい夢だった」

そう言いながら、彼は再び瞳を閉じた。
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