第25.5話 憎しみの記憶
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て、それぞれ歓喜の声を上げた。
「ありがとう!君のおかげで僕たちは自由になれた!
感謝してもしきれないよッ!」
「まさか、あなたがこんなことをするなんてね。
でもおかげでスッキリしたわ。ありがとう!」
「あのクソ共の最後の顔を見たか?悲鳴を上げることもなく
はじけていく無様な姿!死んだアイツ等もこれでようやく逝けるぜ。
お前は俺たちの人生の恩人だ!本当にありがとな!!」
全員から投げかけられた言葉が俺の中に広がって行った。
少しだけ、視界が滲んで見えた。
ぽろっ‥‥‥‥
「何よ、泣いてるの?」
「そんなに嬉しかったのかよ!」
無意識に涙が流れた。泣くというのは久しぶりだ。
久しぶりすぎて‥‥‥‥‥‥‥言葉も出てこない。
「これが‥‥‥‥感謝ってヤツなんだな‥‥‥‥‥‥」
嬉し涙。これにはそれがふさわしかった。
今まで生きてきた中で初めて感じたものだった。
私は涙を袖で拭うと、建物内に響き渡る程の声で叫んだ。
「これから私は、世界の理を打ち砕く!!」
「アスラのほっぺたプ二プ二〜♪」
「‥‥‥‥‥んん」
「あ、起こしちゃった?」
アスラの視界の上側にマリーが顔を出していた。
何だか、後頭部が柔らかかった。
起き上がってみると、頭があったと場所には彼女の太ももがあった。
つまり、彼はひざ枕をされていたのだ。
「あれ、アスラ。どうして泣いてるの?」
彼女にそう問われ、自分の頬に手をやった。
涙が、彼の指先に触れた。
「私のひざ枕がそんなに嫌だった?」
マリーが泣き顔になったので、アスラは弁解した。
「いや、何か変な夢見ててさ。それで泣いてただけで
別に嫌だったとか、寝心地が悪かったとかは‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥本当?」
「うん、本当」
「‥‥‥‥‥‥それなら良かった」
マリーはすぐに泣き止んだ。
それを見てアスラもホッとした。
「雨ちゃんが豪さんによくひざ枕してたらしいから
私もいつかアスラにやってあげたかったの!」
彼女は嬉しそうに、ひざ枕をしたことの経緯を話してくれた。
それを聞きながらアスラは考えていた。
『さっきの夢は‥‥‥‥‥‥‥一体何だったんだ?』
**********
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
高貴なイスに腰掛けた男は、ただ虚空を眺めていた。
「どうなされました?″帝″様」
彼に仕えているであろう女性が帝に声をかけた。
しばらく何も答えなかったが、不意に返事をした。
「‥‥‥‥‥‥‥あぁ
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