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FOOLのアルカニスト
悪魔合体
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いましたからね。確かに、ここら辺が潮時でしょう。正直、遅すぎるくらいでさあ」

 ゴブリンはどこか感慨深げに答え、エンジェルの反対側の魔法陣へと進み出る。

 「……ああ、悪かったな」

 そう答えた徹の声は震えていた。来るべき時が来た。実際にはそれだけなのだ。この世界で強くなることを目指すなら、悪魔合体というデビルサマナー必須の行為はけして外すことのできないものだ。お気に入りの悪魔や苦労してスキル承継させた悪魔とかは流石に躊躇うこともあったが、ゲームであった時には何の感慨もなくなくやってきた事である。
 だが、現実に行うとなると、それに対しての躊躇は比べくもないものであり、同時に忌避感や罪悪感を覚えずにはいられない行為であった。最初から合体材料として仲魔にし、共闘した経験もないエンジェルはともかく、一番最初の仲魔であり、それなりの共闘経験はおろか、話し相手や相談相手にしていたゴブリンとなると、その躊躇いは半端なものではなかった。本体であるゴブリンの方が残る可能性が高いとはいえ、レベルはエンジェルの方が上なのだ。逆になる可能性はけして低くない事を考えると、やはり迷いは捨てきれない。

 「では、合体させるが、いいのだな?」

 そんな徹の内心を見透かしたようにヴィクトルは確認してくる。

 「……」

 その確認に徹は即答できない。必要であることは分かっている。ここでしないことは、ただの逃げでしかないことも、自身の罪悪感が偽善でしかないことも理解している。それでも、徹は本当にそれでいいのかという迷いを捨てきれない。

 「主様、逃げるんですか?」

 今まで一言も発さず、影のように侍っているだけだったチェフェイが声を発する。その声には失望の色があり、目には剣呑な光が宿っている。返答しだいでは、殺すことも辞さないといわんばかりである。それを認めながらも、徹は決定的な一言がいえない。合体を決断できない。親しい者をある意味殺すより悲惨なめにあわせるかもしれない事をするのは、彼にとって譲れない一線を越えることであった。あるいはそれは、徹にとって唯一残った一般人らしい感覚だったのかもしれない。他者の生命の理を歪めて犯すことに対する禁忌への忌避は……。

 「旦那、何を怖気づいてるんですか!あっしを脅してまで仲魔にしたあんたはどこにいったんですか?!大体、今更でしょう。悪魔なら、散々殺してきたでしょう。今更、1体や2体増えたところでなんになりやす!」

 チェフェイが今にも動き出さんとしたとき、それを静止するように、そして徹の迷いを断ち切るように叫んだのはゴブリンだった。

 「そんなことは分かってる。偽善でしかないってことも。でも、合体は!」

 「あっしのことなら心配いりやせん。きっちりあのへぼ天使食らって、強く
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