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ヴォルデモート卿の相棒
組分け帽子
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が本で知ったその光景の仕掛けを周りの生徒に説明していたが、正直余韻ぶち壊しである。風情もへったくれもない。
新入生達がその光景に見とれている傍ら、おもむろにマクゴナガル先生が4本足の椅子を置き、その上にボロボロの魔法使いの帽子を用意した。
生徒達の注目がその帽子に集まるや否や、ツギハギだらけのその帽子は突然歌い出した。


私はきれいじゃないけれど

人は見かけによらぬもの

私をしのぐ賢い帽子

あるなら私は身を引こう

山高帽子は真っ黒だ

シルクハットはすらりと高い

私はホグワーツ組分け帽子

私は彼らの上をいく

君の頭に隠れたものを

組分け帽子はお見通し

かぶれば君に教えよう

君が行くべき寮の名を

グリフィンドールに行くならば
勇気ある者が住まう寮
勇猛果敢な騎士道で
他とは違うグリフィンドール

ハッフルパフに行くならば
君は正しく忠実で
忍耐強く真実で
苦労を苦労と思わない

古き賢きレイブンクロー
君に意欲があるならば
機知と学びの友人を
ここで必ず得るだろう

スリザリンはもしかして
君はまことの友を得る
どんな手段を使っても
目的遂げる狡猾さ

かぶってごらん! 恐れずに!

興奮せずに、お任せを!

君を私の手にゆだね(私は手なんかないけれど)

だって私は考える帽子!



歌が終わる広間にいた全員が拍手喝采をした。4つのテーブルにそれぞれお辞儀して、帽子は再び静かになった。

(…………シルクハット……か……)
「……?」
帽子の歌の中のワンフレーズを思い起こし、クレスは一瞬険しい顔になるが、すぐに元に戻ったため、アレクも特に気にしなかった。

「ABC順に名前を呼ばれたら椅子に座って帽子を被りなさい。アボット・ハンナ!」

マクゴナガル先生にハンナと呼ばれた金髪おさげの少女が、小走りで椅子の前に出てきて帽子をかぶる。
一瞬の沈黙……そして帽子は少女の進むべき寮を高らかに宣言した。

「ハッフルパフ!」

右側のハッフルパフのテーブルから歓声があがり、拍手が鳴り響く。ハンナと呼ばれた少女はそのテーブルに移動する。

その後も帽子は次々と新入生を組分けていく。



「エシャロット・クレスレイ!」

名前を呼ばれるとクレスは前に進み出て、無造作に帽子をかぶる。

「フムフム……非常に勇敢な少年である。ひたすら力を求めんとする貪欲さも持ち合わせているが、それ以上に大切な人を守り抜いてみせるという覚悟も持ち合わせている。よって君にふさわしい寮は……グリフィンドール!」

クレスは帽子を脱ぎ、割れるような歓声を浴びながら一番左端のテーブルに着いた。するとウィーズリー
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