掃除屋が射抜く! 5
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場所はまた戻り、アレク達のいるツリーハウスに移る…
朝食は終わりアレクは昼食の準備に取り掛かっていた。
朝に仕留めた虎型の危険種の腹を捌いていく。
血抜きは仕留めた時にしていたので包丁がスムーズに入る。
「さっき朝を食べたというのにもう昼の準備か?」
バサラが嫌味たらしく言う。
「まぁな、ワールタイガーの肉は元々固いからしばらく吊るして血を抜ききってからバラした方が柔らかくて上手く仕上がる。だから朝に仕留めて昼にバラすのがベストなんだ」
「へー、手間がかかるな…正直面倒だろ?」
アレクが平然と危険種をバラすところを少し苦々しくバサラは見ていた。
「そうだが、ワールタイガーは骨や牙、爪に至るまで高く売れる…毛皮もそうだが一番売れるのは肝だな」
「肝?何で?」
「肝は漢方使われることが多い。万能薬としても有名なんだ」
バサラは感心するように相槌を打つ。
アレクが何故こんなにも物知りなのかは覚えがあるからだ。
アレクは元々狩猟民族の出身でそういう狩りに関することは大抵は知っていると理解している。
「なるほど、今日の昼と夜はかなり豪華そうだな♪」
「悪いがその手間は少し無駄になりそうだ」
バサラの後ろからリュウが呼び止める。
サングラスの奥で真剣な眼差しのリュウを見てアレクは手を止め、バサラは頷き奥の部屋へと歩き出す。
「リドンは起こすのか?」
「ああ、頼む…今日の『仕事』は皆に行ってもらう」
リュウがそう言うとアレクはリドンの眠る寝室に歩み始める。
眠そうに降りてきた黒髪の少年リドンは皆がテーブルを囲っているのを見て人が変わったかのように目付きを変えて自分の席に着く。
「仕事って?今日はどこで?」
リドンは単刀直入に話題を切り出す。
「今回は皆に帝都行ってもらう。各自別々にターゲットを用意してある…」
リュウは各自に人相書きをしてある紙を手渡した。
その人相書きの下に『暗殺対象』と書いてあった。
そう彼らの仕事とは『暗殺』である。
依頼を受け人を殺しそれを生業とする『暗殺家業』…
「アレクは警備隊隊長オーガ、セリアは奴隷商人ガトロ、バサラは油屋のガマル、リドンは貴族バルビーを頼む」
リュウは一本タバコを噴かせる静かに立ち上がる。
「今回は数は一人ずつだが全員ゴミだ。『掃除屋』に仕事が回ってくるほどのゴミ…一人残らず殺せ…」
冷たく言い放つリュウに全員が頷く…
彼らの『暗殺対象』は全員が帝都や地域で権力や罪を犯す悪党である。
今や腐敗した帝国に蔓延る魑魅魍魎…
それらを暗殺という形で掃除する…
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