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俺の名はシャルル・フェニックス
嫁と不死鳥
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息は荒い。

「6」

辺りはリアス達が走る音、誠菜が震える音しか聞こえない。

「5」

半分を切った。

「セーナ!!シャルルてめぇ!!」

どうやら一誠が現状を鑑みて俺が誠菜に危害を加えていると認識したらしい。

まぁ、事実だけどな。

そして、誠菜の震えが小さくなっていく。

一誠が来たからか?

「4」

それにしてもすげぇな。

一応、誠菜に向けているので精々誠菜の半分以下しか受けてないだろうが、それにしても一般人なら足が竦んで動けなくなるほどであると思うんだが……

流石主人公と言うべきか、シスコンと言うべきか。

けれど、俺は誠菜から目を離さない。

試験を途中で投げ出す訳にはいかないからな。

それに今面白いことが起きてるからな。

誠菜の震えが止まったのだ。

一応、気絶してもおかしくはないほどなんだがな。

「そこを退いてくれ!
白音ちゃん、朱乃さん!」

「退きません。絶対に」

「邪魔はさせませんわ」

どうやら朱乃と白音が抑えてくれているらしい。
感謝だな。邪魔されたくないし。

「3」

震えが止まった誠菜、その足が少し動いた。

前へと。

「2」

誠菜は制服の袖で涙を拭った。

強い。本当に強い。

体や力ではなく心が。

いいなと羨望するし、凄いと敬服する。

俺にはない強さだからな。

「1」

1歩前に足を踏み出した。

「0」

全てを抑える。

険難な雰囲気は消え去り、静寂が場を支配する。

フラッと誠菜が倒れそうになったので、受けとめる。

「負けだ。完敗。
合格な」

流石に前に踏み出されるとは思わんかった。

「……こわ……恐か……った……です……」

今になって思い出したかのようにぶるぶると震えだす。

その姿は今までと一緒で、小動物みたいで可愛かった。

「ごめんな。既に巻き込んでるとは言え、面白半分で踏み込んでいいような世界じゃないんだよ」

悪魔の世界は力がものを言う世界。

当然弱者は淘汰される。

だからこそ強く在らねばならない。

覚悟がなければならない。

「……い、いえ……わ……わかって……ます……から……」

震えながら言う姿は気丈で可愛らしく愛らしい。

その姿に俺はいつの間にか誠菜の頭を撫でていた。

「はははっ、愛(う)いい奴めっ」

「…………あぅ……」


そこで二人して気づいた。

じとーっとした視線に。

あー……取り合えず、言い様のない雰囲気に頬を掻いた。

誠菜は顔を真っ赤にして俯いた。恥ずかしいらしい。

何故かポクポクポクと木魚の音を
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