第2話 初めての『友達』
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「あ、お父さん。どうしたの?何だか悩んでるみたいだけど……」
「リィン、お前最近よく町の子といるな?」
「あ、えっと、それは……」
リィンは誤魔化そうとするが、俺は鋭い視線でリィンを見る。するとリィンは黙ってしまった。
「お前が何をしようとお前の自由だ、だが一般人に深く関わるのは見逃せない」
「……」
「いいかリィン、俺達は『猟兵』だ。俺達は常に争いを運んでいる死神だ、一般人からすれば厄介者でしかない」
ゼムリア大陸において猟兵は猟兵を知る一般市民からすれば恐怖でしかない、ミラさえあれば誘拐や虐殺さえ行うのが猟兵。なので猟兵と知られれば冷ややかな目で見られたり恐れられるのは当然のことだ、俺が率いる西風の旅団は弱者の虐殺などといった非人道的な依頼は決して受けないが赤の他人からしたら猟兵など皆同じだろう。
「それに俺達は唯の猟兵団じゃない、『西風の旅団』だ。一般人と仲良くしているのが他の猟兵にバレてみろ、そいつは格好の得物だ」
これがまだ一般の猟兵団なら多少は問題ないだろう。だが俺達はゼムリア大陸最強クラスの猟兵団だ。当然恨みも相当買っている、もし俺達に恨みを持つ者が西風と仲のいい一般人を知ったら見逃さないだろう。
「どのみちもうすぐこの辺の仕事も終わるんだ、そうなったらその子と別れることになるんだ。だったら早いうちに別れを言っておけ」
「……酷いよ」
「うん?」
「酷いよお父さん!エレナは僕にとって初めての友達なんだ!要はそのエレナと友達をやめろってこと?そんなのいやだよ!」
「リィン分かってくれ、俺達は……」
「そんな事いうお父さんなんて大嫌いだよ!!バカ!!!」
「リィン!」
リィンは涙を流しながら自分の部屋に戻っていった。ちッ、やっぱりこうなっちまったか…
「……」
「もう少し言い方があったんじゃないの?」
「マリアナか……」
物陰からマリアナが現れた、どうやら今の一部始終を見ていたようだ。
「リィンはまだ子どもよ、あんな言い方をしたら泣いて当然よ」
「今回ばかりはそうも言ってられねえよ」
「ルトガー、貴方どうしたの。何だか様子が変よ?……もしかして私と出会う前の過去に何かあったの?」
「……くだらない話さ」
俺は自身の過去をマリアナに話し出した。俺が西風の旅団を結成する前のことだ、まだ団も作っていない新米だった時、大きな怪我をして死の淵を彷徨っていた事があった。その時俺を助けてくれたのは一般人の青年だった。俺は彼に感謝し次第につるむようになっていつしかかけがえのない親友になっていた。
だが当時俺に恨みを持っていた猟兵が親友を人質にしようと襲撃したんだ、俺はその猟兵を撃退するが
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