第2話 初めての『友達』
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うか」
あれは民間人か?
「なるほどなぁ〜。そういうことやったんか、ボンもやるやないかい」
「友達が出来ていたのか。リィンにも友達が……」
「ふふっ、リィンも年頃というわけね、良かったじゃないルトガー、仲の良さそうな友達が出来て……」
「………」
「ルトガー?」
「ん、ああ、そうだな…安心したよ。さてこれ以上は野暮だな、帰るぞ」
「ええ……(どうしたのかしら、ルトガー、何か考えこんでいたみたいだったようだけど)」
そういって俺達は帰路についた、しっかしどうしたもんか。
side:リィン
「……ってことがあったの」
「あはは、そうなんだ」
「あら、どうかしたの?」
「ううん、何でもないよ」
僕はエレナと楽しく談笑していた。アジトを出てから何だか変な気配がしたけど気のせいだったみたい。
「ふふっ、でも貴方と知り合ってから毎日が楽しいわ」
「そうなんだ、僕もエレナと友達になって楽しいよ」
「ありがとう。こんなに楽しいにはお父さん達が生きていた時以来だわ」
「えっ……」
僕はエレナの発言を聞いて、言葉に失ってしまった。
「私と姉さんは元々違う町に住んでいたの。でも戦争に巻き込まれてお父さんとお母さんは…」
「エレナ……」
「私、貴方が羨ましい、家族と旅が出来るなんてきっと楽しいわよね」
エレナが悲しさを隠すように微笑んだ、それを見た僕は何故か自分の事を話し始めた。
「……僕は捨て子なんだ」
「……リィン?」
「僕は昔森に捨てられていた時にお父さんに拾われたんだ、だから本当のお父さんやお母さんを知らないんだ」
僕は3歳位の時にお父さんに拾われたらしい、でもそれ以前に記憶は持っておらず自分の本当の両親の事は全く覚えていなかった。
「ごめんなさい、何も知らないのに貴方のことを知ったように言って……」
「ううん、気にしないでよ。確かに血は繋がってないかもしれないけど、西風の皆は僕の家族だから」
「リィン……」
最初は戸惑った、でも西風の皆はとても優しくて直に打ち解けることが出来た。今では本当の家族としか思えないくらいに。
「それにエレナだって旅が出来るよ、そうだ!いつか僕がエレナを色んな国に連れて行ってあげるよ」
「本当に!嬉しいわ、じゃあ約束ね」
「うん、約束だよ」
僕はエレナは微笑みながら小さな約束を交わした。胸の中のドキドキがどんどん大きくなっていく、もしかして僕はエレナの事が……
side:ルトガー
「ただいまー♪」
「ああ、お帰りリィン」
アジトに帰ってきたリィンを俺は出迎える。
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