第2話 初めての『友達』
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僕は事情を話しメモを工房の人に見せた。
「ああ、この部品か。ちょっと待ってな。」
工房の人は奥に行きガサゴソと部品を探す。
「あったあった、コレだな。代金は4800ミラだ」
「はい、5000ミラです」
僕は貰った5000ミラを手渡した。
「ツリで200ミラだな、ありがとうよ」
「ありがとう、おじさん!」
買い物を終えた僕は街道を歩きアジトに戻ろうとしていた。
「えへへ、ちゃんとお買い物も出来たし急いで帰らないと」
その時だった。
「キャアアアアアッ!」
「!?」
突然悲鳴が森に響いた。僕は森の奥を見る、悲鳴はそちらから聞こえた。
「ど、どうしよう……」
悲鳴があったということは何か危険な状態になっているかもしれない、一旦アジトまで助けを呼ぼうと考えたがここからアジトまでは結構距離がある。もしかしたら間に合わないかも…僕はそう考えた。
「……よし、僕が行こう!」
僕は懐からナイフを取り出した、このゼムリア大陸には人間を襲う『魔獣』と呼ばれる生物が存在する。魔獣は人間を見れば襲ってくるため戦えなければ非常に危ない。
僕も猟兵団の一員、大陸中を渡り歩く為魔獣とも遭遇しやすい、普段はお父さん達に守ってもらっているが、万が一の時に対処できるように西風の皆に必要最低限は戦えるように鍛えてもらっている。僕は覚悟を決めて森の奥に向かった。
「確かこの辺から聞こえたような……」
森の奥に進んでいき悲鳴の主を探す、すると……
「いやっ、来ないで!」
見つけた!お花畑の真ん中に一人の女の子が狼型の魔獣に襲われようとしていた。僕は女の子と魔獣の間に入り込んだ。
「あ、貴方は……?」
「話は後、下がっていて!」
魔獣は突然現れた僕に一瞬警戒したが直に先頭体勢に入る、どうやら脅威ではなく餌が増えたというように捉えたようだ。
(魔獣と戦うなんて初めてだ。正直怖い……)
お父さんが言っていたが訓練と実戦は違う、実戦は負ければ死ぬ、ましては相手は魔獣だ、そこに情けなどない、殺るか殺られるか…僕は生まれて初めての『実践』に恐怖していた。
魔獣が牙を光らせて飛び掛ってくる、僕はとっさに右に転がってそれをかわした。
(あ、危なかった、とっさに体が反応したからかわせたけど…お父さんに習ったことが役立ったよ)
お父さんは僕にもし戦うことになったら勝つことよりも生き残ることを考えろ、と教えられた。そのために回避やそれに必要な反射神経などを徹底的に鍛えてもらった。
それで魔獣の攻撃に頭より先に体が反応して
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