第2話 初めての『友達』
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あれから数日が過ぎた頃、西風の旅団の機材や武器のメンテナンスをしている技師のサーニャさんが何やら困ったような顔をしていたので僕は声をかけてみた。
「あ、リィン。実は頼まれていた整備用の部品を発注ミスで入手できなかったの。武器の整備は猟兵の基本だから早めに用意するよう言われてたんだけど……」
「それは大変だね、何とか手に入らないの?」
「う〜ん、そうね……部品は戦術オーブメントなどに使われている物だから工房に行けばあるかもしれないけど、今手が離せないのよね」
「あ、じゃあ僕が貰ってくるよ!」
「え!?」
皆が忙しいなら僕が行けばいいよね、町まで一人で行った事はないけど魔獣と遭遇した時の為に護身術を習ってるからきっと大丈夫、大丈夫♪
「気持ちはありがたいんだけど〜……(正直リィンを危険な外に一人で行かせるのは…過保護な方達が黙ってないだろうし)」
「僕じゃ駄目?」
「うっ……(まあリィンももう5歳だし大丈夫かしら…万が一団長達にバレたらマリアナ姐さんに助けを求めよう)え、えっとじゃあお願いしちゃおうかな」
「ホント!?えへへ、僕頑張るね!」
(可愛い)
何か重大な決断をするみたいな表情で僕にお願いしてくれたサーニャさん、一体どうしたんだろうと思ったけど皆の為にも頑張ろう!
「所で何を貰ってくればいいの?」
「必要な物はこのメモに書いたから工房の人に見せればいいわ、これはお金よ」
僕はサーニャさんに必要な物が書かれたメモと5000ミラを渡した。
「お金はそれで足りるはずよ、それじゃお願いね」
「うん、行って来ます!」
僕はカバンにメモとミラをいれて森を抜けた先にある町に向かった。
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ーーーーーー
ーーー
ーーー 街道 −−−
「ふんふ〜ん♪」
僕は鼻歌を歌いながら町に向かっていた、そもそも西風の隠れ家の外に一人で出たことが無かったから偶然とはいえ外に出る機会が出来て嬉しいな♪
暫く街道を歩いていくと森の出口が見えてきた、森を抜ければ町がある、僕は急ぎ足で向かった。
「うわ〜…」
生まれて初めての光景に僕は目を輝かせていた。普段はアジトを転々と渡り歩いているが一人で町にいったことはない、大抵は西風の誰かが一緒にいる、でも改めて一人で街に来るとまた違う景色に見えるなぁ。
「工房はどこかな?」
僕はキョロキョロと辺りを見回して歩く、しばらくすると『フォース工房 こちら→』と書かれた看板を見つけた。
「あ、ここかな、すみません〜」
「お、これは小さなお客さんだ、何か用かな?」
「実は〜…」
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