6部分:第六章
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同僚は暗い顔でゴーに対して問うてきた。周囲には誰もおらず人骨が転がっているだけである。完全な廃墟であった。いるのはベトナム軍だけだ。
「カンボジアに」
「わからん。だが」
「だが?」
「全ては我が国の為だ」
ゴーは言った。
「ポル=ポトは我等に対して敵対的だったからな」
「そうだな。やられる前にやれか」
「そういうことだ。だが」
「だが?」
「長いものだな」
ふと空を見て言ったゴーであった。
「もうな。かなりな」
「長いか」
「日本が来たことは覚えているな」
「まあな」
同僚もまた日本軍を知っていた。彼が子供の頃に来たからだ。彼もまたゴーと同じ世代であるのだ。
「あのやたらと厳しい連中だな」
「日本はもう来ないだろうな」
「あの国は今資本主義だろう」
それに対してベトナムは共産主義である。イデオロギーが絶対の時代だった。とはいってもベトナムは同じ共産主義の中国とも戦争をしたしその中国もアメリカと組んでそのうえでベトナムに侵攻したのである。この辺りはイデオロギーは無関係なのであった。
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