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ドリトル先生と学園の動物達
第九幕その一
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                第九幕  解決の前に
 動物園と水族館の動物達にお菓子をあげていたのがインド人と聞いてです、王子は成程というお顔になってお話してくれた先生に自分の洋館の中で言いました。
「やっぱり、かな」
「インドの人だからっていうのかな」
「だって、インドのお菓子って僕から見てもね」
「甘いっていうんだね」
「甘いにも程があるよ」
 それこそ、というのです。
「最初食べた時はびっくりしたから」
「その甘さにだね」
「あんな甘いお菓子は他にはないよ」
 インドのお菓子はというのです。
「これ多分パキスタンやバングラデシュもだろうけれど」
「うん、元々は同じ国だったからね」
「イギリス領になる前から」
「そう、ムガール帝国だったからね」
 このことはスリランカも同じです。
「だからお菓子はね」
「そうした国でもなんだね」
「甘いんだよ、僕はパキスタンのお菓子は食べたことがないけれど」
「あっ、ないんだ」
「うん、食べる機会がなかったんだ」
「じゃあまたあれ?」
「ティーセットは口にしていたよ」
 先生にとっては欠かせないものです。
「それでもね」
「そうだったんだ」
「そうだったんだ、けれどね」
「それでもなんだ」
「パキスタンとかのお菓子は食べていないんだ」
「それで知らないんだ」
「そうなんだよ、けれどインドのお菓子はね」
 先生はインドにも何度か行っていてです、そのうえでインドのお菓子も食べているのです。それで知っているのです。
 王子もです、それでこう言うのです。
「甘いからね」
「それで王子もなんだね」
「動物の皆の虫歯の原因がわかったよ」
「そのインドの女の人があげていたんだよ」
「そういうことだね、ただね」
「ただ?」
「どうしてお菓子あげているのかな」
 王子は先生にこのことも言うのでした。
「そのことが気になるね」
「そうだね、ただね」
「ただ?」
「悪気があってしたとはね」
 そうしたことはというのです。
「あまり考えられないね」
「そうだね、皆を虫歯にする為にお菓子をあげるとかね」
「性格が悪いにも程があるよ」
「そこまで性格の悪い人はね」
「そうそういないよね」
「そこまでする人がいるなんて信じられないよ」 
 王子にしてもです。
「滅多にいないよね、そこまで性格の悪い人は」
「性格の悪い人は確かにいるけれど」
「それでも程度があるからね」
「そこまで性格の悪い人となるよ」
「滅多にいないよ」
 そこまではというのです、王子にしても先生にしてもです。
「そうそうね」
「だから悪気があってしているとはね」
「考えられないね」
「うん、だから善意じゃないから」
「よかれと思ってお菓子をあげているんだ
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