四十一話:不幸の始まり
[5/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
『あなたのおかげで無事に駅に着くことが出来ました。あ、それと僕はジュード・マティスです』
『俺はルドガーだ。別に気にするなって駅に行くついでだったんだし』
場面は大きな駅らしき場所でルドガーが黒髪で白衣を着た青年と握手を交わしている所だった。白衣を着た青年の名前はジュード・マティス。本来なら一緒に行くはずだった幼馴染みが急に行けなくなってしまった為に駅までの道が分からずに困り果てていた所にルドガーに声を掛けられて助けられたのだ。
ジュードは最後に道を教えてくれたルドガーに感謝の気持ちを述べてから特別列車へと駆け出していった。その姿を見届けてからルドガーは爽やかな気分で職場に向かおうとして駅員に呼び止められる。
『ちょっと駅員室に来てもらえるかね。八歳ぐらいの女の子が、君に妙なマネをされたと言っているのだが』
『はあっ!?』
「「「「ロリコンだったの(か)!?」」」」
「ルドガー……私が正常に戻してあげるから安心するにゃ」
「ルフェイ、ルドガーの範囲百メートル以内には入ってはいけませんよ」
黒歌達は一応叫んではみたり失望したりしているものの、ルドガーをずっと追っていたのでその様なことをルドガーがしていないのは百も承知だ。つまりはノリだ。しかし、ルドガーの様子を詳しく見ていなかった周りの人達はルドガーがロリコンの犯罪者だと断定し、冷たい視線をルドガーに向ける。
その中でルドガーは必死に誤解を解くために中心人物である少女を探す。その少女は帽子を被り背中にはリュックを背負った姿をしており。ルドガーと“同じ色”の目でルドガーを見つめ口を開いた。
『(ご、め、ん、ね)』
口パクでそう伝えると改札口を、金を払わずに潜り抜け、何故かルドガーの飼い猫であるルルを引きつれて電車の中へと消えていった。そこでルドガーは確信した。自分は無賃乗車のダシに使われたのだと。
ルドガーは自分の不幸を嘆く、初出勤の日に痴漢冤罪をかけられたのだ、折角の採用は無くなるだろう。下手すればこのまま刑務所に入れられてしまうかもしれないと思っていたその時―――
――――ドガァァァンッ!
凄まじい爆発音が駅に響き渡り、その爆発に乗じて謎の武装集団が辺り構わずに発砲しながら特別列車に乗り込んでいった。
「ひぃぃぃっ! な、なんですかぁぁぁっ!」
「列車テロというやつだろうな」
悲鳴を上げるギャスパーとは正反対にゼノヴィアは冷静にこれらの出来事はテロが引き起こした物だと判断する。
ルドガーはこの騒ぎで逃げ出せば痴漢冤罪のことを有耶無耶にできると考えたがそれでも自分に冤罪をかけたあの少女と愛猫ルルが心配だったので面倒事に巻き込まれることを覚悟で、本人的にはカッ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ