四十一話:不幸の始まり
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り悲鳴を上げる。するとその悲鳴を引き金として辺り一帯を包み込む程の強烈な光が、エルが身に付けている時計から放たれ、ルドガーを包み込んでいく。そして、ルドガーは再び骸殻を纏うことになる。
『うおおおおおっ!』
今にも泣きそうな雄叫びを上げながらルドガーは手にした槍でユリウスを貫く。肉を貫いた嫌な音が辺り一帯に響き渡る。その様子に黒歌達は思わず目を背けたくなるが一番辛いのはルドガーだと思い、その様子を目に焼き付ける。黒歌達はこれがルドガーの言った兄殺しだとこの時思ったが真実が違うことにはまだ気づいていない。
『ル…ド…ガー……』
槍に貫かれたユリウスは最後にまるで泣きそうなルドガーをあやすかのように頭を撫でようとしたところで黒い霧となって消え、ルドガーの槍の先端には黒い歯車を組み合わせたような物だけが残った。
『ダメだ! ブレーキが壊されて……!』
『な、なにこれっ!?』
二回から飛び降りて来たジュードとルルの傍に居たエルがルドガーの姿と槍の先に付いている物体に驚いたところで物体が砕け散り、そこから光が出現する。そしてその光が大きくなるのに呼応するかのように世界は歪んでいき、そのまま―――砕け散った。
『『『うわああーー!?』』』
そこで再び場面が変わり、バーらしき店でルドガーは目を覚ました。そしてもしかしたら先程までの事は夢だったのかもしれないと思っている所に非常にもそれが現実だったことを知らせるニュースが耳に入って来る。そして、取りあえず自分の現状を知るためにルドガーが立ち上がったところでバーチェアに座る赤いスーツに長い髪の男が目に入った。黒歌達はこの男の名前を知っていた。
『列車テロだってさ。ぶっそうだねえ』
「「「「リドウ!?」」」」
かつて、コカビエルと共にイッセー達と敵対し、陰湿な嫌がらせや黒歌を人質に取るなどの行動をした卑怯な人間の筆頭にあげられそうな人物が目の前に居たのだ。そのことにここがルドガーの記憶の中であるにもかかわらずイッセー達は身構えてしまう。
しかし、この時のルドガーはまだそんなことなど知らないのでどうして自分がここに居るかを聞いてリドウが助けてくれたことを聞くと素直に礼を言う。一方の黒歌達はそんなリドウらしからぬ行動に警戒するがジュードがバーに入って来たことで意識をそちらに向ける。
『リドウさん、ルドガー達の様子はどうですか?』
『問題なく治療完了。二人共ね』
『さすがはクランスピア社の医療エージェントですね』
『いやいや、俺の医療黒匣が精霊術より優れているだけだよ』
黒歌達には黒匣も精霊術という単語もよく分からなかったがとにかくリドウが嫌な奴
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