参ノ巻
死んでたまるかぁ!
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マノウズメノミコト)が服を脱ぎ踊ると周りの神様が大爆笑。外から聞こえるその笑い声が気になって天照大御神がちらりと岩戸を開けた途端に引っ張り出されて、世界には光が戻りました、めでたしめでたし・・・って話なんだけど。
このアホは、つまり、あたしがこのまま立て籠もるようなら、横で裸踊りするぞ、いいんだな?…って言って脅したのよ!
あたしはまだ、花も恥じらう乙女なんですからね!?別に見たところで、見たところでどーってこともないけど!ないけどさ!惟伎高の裸なんて、そんなバッチイもの、見なくて済むに越したことはない!
「今失礼なこと考えてるだァろ」
「失礼なのはあんたよ、バカッ!僧形が易々脱ごうとすんじゃない!」
あたしは惟伎高の足をげしっと蹴った。
「こら。お行儀が悪ィぞ」
特に堪えた様子もなく惟伎高が言う。
「あんたに言われたくないっ!」
あたしは吠えた。それからはっとして口を噤む。遅まきながら、同じ屋根の下に高彬がいたことを思い出したのだった。
そんなあたしを惟伎高がじっと見る。やましいことは何もしていないはずなのに、なぜかあたしの首筋に汗が滲む。
「ところで、ピィ」
「な、なにかしら?」
「客人に見初められたぞ、おまえ」
「みそッ!?」
あたしは、ぶぶふぉと噴き出した!遠慮無く吹いて、更に勢い余ってげほがほと咳き込む。
「おゥい、大丈夫かァ」
惟伎高がノンキに背中をさすってくれるが、あたしはその手をぱしりと払いのけた。
「あ、あんた、あんたが、変なこと言うからでしょ!?」
「ヘンなこと、かァ?武家が尼を見初めるなんて、なくもない話だと思うがァな。しかもおまえは本当の尼じゃねェから還俗とかの面倒な手続きもナシだ。良かったじゃねェか、引き取り手が見つかって」
こっ、こいつは何を・・・あたしが盗み聞きしてた話だと、高彬が尼姿のあたしに一目で恋してしまって、どうしても連れて帰りたい・・・なんて展開じゃあ全然、これっぽっちも、なかったと思いますけど!?
「佐々家が不満か?それとも高彬か?佐々家は主家の覚えも良いし、高彬はそれに増して立派な人間だ。ゆくゆくは佐々の全てを任される男だぞ。こんな機会、二度と無いと思うが」
「そっ、そういう問題じゃないでしょ!家柄が良いとか悪いとか、そんなのあたしは全然興味ないわよ!それが誰だって、自分の連れ添う相手ぐらい、自分自身で決める!あんたにも、高彬にも、他のどんな人間にだって、指図される謂わ
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