1部
37話
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儡の仕込みやら何やらまで把握してたんだろ?」
ふむ……この男、嘘をついているな。流石に何処が嘘かという事は分からんが……私との試合といい、先程の言葉といい一体何を考えているのだ?
いや、警戒すべきはこの男というよりは砂隠れ自体か。
「ああ、あそこで棄権しなければ君の仕込みを全て紙に書いて渡していただろう」
私はこちらの警戒を悟らせぬよう、ごく普通の態度で返事をする。
「勘弁してくれ……」
カンクロウがそう言って項垂れている間に、次の試合内容が発表された。
奈良 シカマル、キン ツチ……シカマルの方は知らんがあのツチといのは音の三人の一人か。
さて、どうなることやら。
「えっと……あっちの女の子ってリーとやりあったんだっけ?」
「やりあったというのは語弊があるが、二回戦での音の輩を女の攻撃を全て回避しつつ叩きのめしたのは確かだ。あのリーが異性を殴れると思うか?」
「だね。で、ヒジリはこの勝負どうなると思う?」
「分からん。あの女がそれほど強い輩ではない事は知っているが、シカマルの方は欠片も知らん。奈良一族であれば影を操る術を扱うのだろうが、一体どの程度の術まで扱えるのやら知らんからな」
「ふーん、その割にサクラちゃんの試合は割と予想してたよね?」
……どうにもテンテンには隠し事はあまりできんようだな。白眼もないのに彼女には色々と考えを見抜かれる。
「わかった、白状しよう。この試合、私は全く興味が湧かんのだ」
「……ヒジリって興味ない事に関しては本当にどうでもいい扱いだよね」
「なんかあんたも色々苦労してんだな」
「あ、分かってくれる?」
「ああ、俺も毎日胃を痛めてるじゃん」
何故だか知らんがテンテンとカンクロウは妙な苦労話で盛り上がっている。
……私はそこまで彼女の胃を痛めつけているのか?思い当たる節はそれほどないのだが、今度あたり一度彼女と本音を語り合うとしよう。
さて、それは一旦置いておくとして試合の方はどうなのだ?
どうやら既に試合は始まっていたようだな。
「影真似の術」
自身の影の形を自在に操り相手の影と同化させて、相手を影によって操る奈良一族特有の術か。
ここが森などの薄暗い場所であれば兎も角、何もない試験場ではその術も見切れる。誰だっていきなり影が伸びて迫ってくれば、それを警戒するだろう。
「どんな術か知らないけど、バレバレなんだよ!!」
影を回避しつつ、キンは何かを投げつけた。その動きから一瞬遅れて鈴の音が響いた。
キンの投擲した何かを回避したシカマルは、ちらりと彼女の投げた物を確認する。
「へっ。古い手、使いやがって。お次は鈴のつけた千本とつけてない千本を同時に投げんだろ?
鈴の音に反応してかわしたつもりでいたら、音の無い千本に気づかずグ
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