第六話
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そんなことを考えてたらウェイブがなんか考えてるっすね。どうしたんでしょうか?
「どうしたの、ウェイブ君」
「俺・・・何だか悔しいです。ボルスさんいい人なのに、さっきの商人みたいに皆・・・外見で判断して・・・」
いや、確かに今も拷問官みたいにマスク着用した上に上半身裸、その胸にも三本の傷跡が刻まれて・・・って感じっすから分かるんすけど。
「・・・・・・人のこと言えるの?」
「初対面の時とか、二番目に集合場所についたのに対角線に座ってたっすよね?」
「うっ・・・!そうだった!」
ちなみに、一番はボルスさんっす。向かう途中でウェイブを見かけたことと三番目についたのが自分なことからも、これは間違いないっす。
そんなことを考えているとボルスさんは各々の前にお茶を置いてくれたっす。熱々のお茶って美味しいっすよねぇ・・・
『ヘインってホント、たまに老人っぽくなるよね〜』
「・・・珍しく起きてるみたいっすし、今日こそ挨拶しないっすか?」
『ん〜、パスで〜』
「悪い人ではないっすよ?」
少なくとも、心底アウトってほどの人はいないっす。そりゃエスデス隊長とかセリューとかクロメとかどこか狂ってる人もいるっすけど。
『それはそうなんだけど、もうちょっと待って〜。じゃないと、燃やしちゃうかもだから』
「・・・そう、っすか。それじゃあ、仕方ないっすねえ」
ふと、レインを・・・この帝具と出会った時のことを思い出したっす。
とある神殿の奥深くに封印された両手剣。それに触れたものがことごとく黒炎に包まれて骨も残さずに燃え尽きた。そんな噂が流れ、それは帝具なのではないかということで帝国軍のとある部隊が回収に向かうことになり、自分の所属していた部隊がそれに選ばれたんすけど・・・生きて帰ったのは、自分だけ。
噂の通りレインに触れた人はみんな黒い炎に包まれて灰になっていき、それでも持ち帰れという命令であった以上持ち帰らない訳にはいかないと、隊長の命令で次々と隊員がその柄を掴んでは燃えて行き、最後にはその隊長も燃えたっす。
元々その燃える現象も適合者でないからという推測だったっすから、一応帝具使いに分類されていた当時の自分は、隊長に掴むよう命令されることはなかった。まあでも、さすがに最後の一人になってしまった以上、そして『事実であったなら持ち帰れ』と命令されていた以上は「みんな燃えちゃったんで帰ってきました」なんて言ったら厳罰もの間違いなし何で、とりあえず頑張って全体的に凍らせてみたんすけど・・・見事に燃やしつくされちゃったんすよね。直接触れなければ大丈夫かと思ったんすけど、そうでもなかったみたいっす。
で、仕方なしに掴んでみたら・・・
『ん、いいね〜、って言ったんだっけ〜?
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