ワールド・カタストロフ〜クロスクエスト〜
Round《4》〜ワンサイド・ワンサイド〜
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、ソードスキルすら無効化されるのだ。
異能使い、そして大量のスキル使いであるライトにとって…それはたとえ《漆黒の勇者》の方であっても…天敵となる。
ただし――――相手が、スキルが効かない空間でも強い存在ならば、全く意味をなさないのだが。
例えば《月の剣士》ジンのように、本人に強力な武術の心得がある者や。
例えばワールドのように、空間そのものに異常をきたすタイプのユニークスキル使いや。
例えばグリーアシリーズのように、本人が異常に強い者達や。
そして――――ライトのように、様々な攻撃手段を持った者。
「ドリャァァァッ!!」
激しい雄叫びと共に、ライトがスラッシュアックスを振り回す。帯電したその一撃は、電撃のダメージこそ入らないモノの、十分に凶悪な威力を秘めている。ライトとアスカのレベルはほとんど変わらない。ライトの世界は早期にSAOがクリアされたため、さほど高レベルではないモノの、筋力重視の彼のステータスは、正直な話アスカよりも上を行く。
故に、アスカは避ける。そしてカウンター――――
「せぃっ!!」
体のピンポイントに向けて突きこまれたのは、ワイヤーのような光を放つ剣技。
本試合初のソードスキルだ。名を、《ハウリング・マリオネット》。モンスター専用状態異常技にまれに存在する、《操り》状態を発現させる唯一のプレイヤー用技。
この攻撃を食らった相手のアバターは、一定期間技の使い手にコントロールを奪われる。既存のアイテムやスキルで無効化することのできない強力な技、だが……
「――――ふんッ!」
ソードスキルの輝きが、突如生まれた空間の歪みに吸い込まれて、消える。
ライトのデータに刻み込まれた、ダーク専用スキル、《滅殺剣》。そのソードスキル無効化スキル、《螺旋》だ。
「おいおい、回避できないんじゃねぇのかよ……」
六連撃全てが消滅したことで、状態異常も無意味なものと化す。技が効かないと悟ったアスカは、すぐに敏捷値を生かして回避する。
再び距離が空く。だが、ライトには弓がある。現在は装備していないモノの、すぐに取り出せるだろう。
一度ライトの攻撃を受けたら、あとは成すがままに蹂躙されて終わりだ。連続重攻撃はライトの十八番。
使われないうちに、倒さなければならない。
「きびしいな……」
「サイレンダーするかね?」
「おことわりだ。おまえもおなじ状況だったら降参なんてしないんじゃねぇのかよ」
「ハハッ、違いねぇ!」
顰め面で言い放ったアスカに、獰猛に笑い返すライト。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ