ま、まだ慌てるような時間じゃない
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ねえ。ま、いいや。
「さて、今日は何を読むかな」
そういや、面白い本見つけたんだよ。ファンタジー系でさ、名前はないんだよ。タイトルの部分が薄汚れて見えなくなっちゃって。
「この辺だったかな?」
俺は、うろ覚えの記憶を頼りにその本を探した。
「お、あったあった。結構昔の本っぽいからタイトルが読めなくても仕方ないかな」
さて、読むかな。…と思ったら後ろから視線を感じる。俺は視線のする方向へ目を向けた。するとそこには俺と同い年くらいの女の子がいた。
「どうした、何か用か?」
俺が尋ねると女の子は口を開いた。
「君はその本読めるの?」
そういえば、ここ海外なのか英語なのよね。やってて良かった英会話。日常の会話とかは特に問題なし、さらに読み書きも問題なし。とはいえ、普通の三歳児が読み書きなんて習ってるわけないから読めなくても当然か。
「読めるぞ」
「私読めないから、読んでくれる?いつもはシスターに頼むんだけど忙しそうだから」
自分に娘が出来て読み聞かせとかする時とかってこんな気持ちなのかな?
「OKOK。じゃあ読むぞ」
そういって、俺は一枚目のページをめくった。
「昔々、あるところに、2人の神々がいました。その2人の神は互いに戦い合っていました。1人の神の名は調和をつかさどる神コスモス、もう一人は世界に混沌をもたらす神カオス。コスモスは地上を守るために戦い、カオスは世界に混沌をもたらすために戦っていました。二人の神の戦いは熾烈を極め、決着はなかなかつきません。しびれを切らしたカオスは自分の力を別のものにも与え、カオスの軍勢を作り上げました。一方のコスモスは、地上の民を巻き込みたくなかったために自分一人で戦おうとしました。徐々にコスモスが押され始め、なすすべなくなった時、彼女は決断をしました。そう、自分の力を地上の民に分け与えたのです。コスモスの力を受けた者たちは、戦いを重ね成長していきました。そのなかでも4人の戦士が他の群を抜いて強大な力を持っていました。…あれ?」
さっきまで一緒に本を読んでいた少女がいつの間にか寝息を立てて眠っていた。
「ありゃま、いつの間に。まあいっか、今日はここまでにすっか。ところで、この女の子どっかで見たことある気がするんだよな」
う〜ん思い出せない。大したことじゃないしいいか。さてこの子を寝室まで運んで俺も一眠りしようかな。
俺は女の子をおんぶして寝室へと向かった。
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