第七十四話
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――世界樹攻略戦から、少し時は遡り。
SAO対策本部として活動していた菊岡誠二郎は、引き続きこのSAO未帰還者についても調査を進めていた。そして、SAOと同様のサーバーを使っている、VRMMOゲーム――アルヴヘイム・オンラインの存在まで辿り着いたものの、調査はそこで膠着していた。かの大企業レクトが相手では、SAO対策本部という肩書きでは手が出せなかったからだ。
SAO未帰還者に似た人物の写真がALOにて発見され、未帰還者とALOには何か関係がある、とは考えたものの、出来たことは数名の役員でゲーム内に潜入調査をすること程度だった。
さらに調査を進めるために接触したのが、同じく写真を見てALOに潜入していた、SAOをクリアした桐ヶ谷和人と一条翔希の二名。茅場晶彦についての調査と同様、彼らからもALOについての情報を得ることに成功した。そして驚くべきことに、もう問題の写真を撮ったラストダンジョンへと辿り着いている、とのことだった。
ラストダンジョン《世界樹》を通して、彼らが未帰還者の証拠を掴んでくれれば、SAO対策本部も動くことが出来る。その為には、その両名がゲームをクリアする必要があった。
そこで菊岡は、彼らを通して知り合ったSAOプレイヤー、アンドリュー・ギルバート・ミルズ――プレイヤーネーム《エギル》へと協力を取り付けた。SAOで最前線で商人をやっていた彼は、攻略プレイヤーたちのほとんどと交流を持っており、その名前を借りることで、SAO対策本部に記録されているだけの、元・SAO攻略プレイヤーに協力を頼んだ。
――アスナを助けるために戦っている、キリトとショウキを助けて欲しいと。
しかし、今からそれぞれがALOに入ったところで、世界樹まで辿り着ける筈もない。……だが菊岡は、翔希からある情報を得ていた。『ケットシーは輸送用の空路を持っており、そこから《世界樹》へ向けて飛翔する』と。
ならば話は簡単だ。そのケットシーの空路とやらを――つまり、元SAO攻略プレイヤーたち全員がケットシーでログインし、ケットシーの本体が《世界樹》へ向かう空路を利用する、ということだ。SAO攻略プレイヤーに連絡を取っている間、ALOにプレイヤーとして潜入していた役員に、輸送用の竜と各種装備を用意させた。
そしてエギルの呼びかけに応えた、元SAO攻略プレイヤーたちは決して多くはなかった。それでも充分な戦力の増援として、ケットシー領の首都に集結し、SAO唯一の《竜使い》――シリカが先導する、輸送用の飛竜へと乗り込んだ。
《世界樹》にたどり着くまでに撃墜されなければいいが――とは懸念していたが、ケットシーの増援として出撃したため、敵モンスターは露払いの為に待機していた一般プレイヤーが引き受けてくれていた。竜使いが
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