第七十四話
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とは拮抗しており、ユイのナビもあって簡単に天蓋近くまで到着する。
そして悪魔は、掴んだ蜘蛛を力の限り握り潰す――のかと思いきや、そのまま下層部に放り投げた。蜘蛛のライフを0にした瞬間に、倒した守護戦士もろとも復活する能力に対抗する手段は、悪魔による違法投棄。簡単な話、ライフを0にせずに排除すればいい話なのだから。
『ウオォォォ――ぉぉぉぉぉっ!」
蜘蛛を違法投棄した悪魔は姿を消し、黒白の二刀を煌めかせたキリトがその場に突如として出現する。もはや遮るものは何もない――キリトに合流し、共に飛翔すると、天蓋に蜘蛛の代わりに守護戦士が出現していく。
「「邪、魔、だぁぁ!」」
――その守護戦士を半ば無理やり突破すると、俺とキリトは遂に天蓋の向こうにたどり着く。しかし悠長に話している暇もなく、守護戦士の追撃が来る前に最後の距離を飛んでいく。いつしか世界樹の行き止まりが見えると、央都《アルン》に繋がるというゲートへと着地する。
いつぶりかに大地に足をつけると、守護戦士はもうここには現れないようで、解けた緊張感からか肩で息をしてしまう。しかし、キリトからすれば今までのはあくまで前座であり、これからが本番なのだ。その証拠にキリトは緊張感を解くことはなく、油断なく巨大なゲートへと近づいていき、押し込んで開けようとし――
「……開かない!?」
――その門はピクリとも開かなかった。そして下から気配を感じて振り向くと、まだ守護戦士たちが俺たちを排除せんと追ってきていた。このゲート付近には出現しないが、今まで出現していた守護戦士はまだ諦めていない、ということか。
そこからの俺たちの行動は早かった。俺は数が少なかったクナイを使い切る勢いで、追ってくる守護戦士たちへの牽制に使い、キリトは迷いなく門を破壊せんと剣を振るい、ユイは門を検査すべく手で触れていた。
しかし、キリトの二刀の剣はあっけなく門に弾かれ、俺のクナイではあくまで牽制にしかならず、追いすがる守護戦士たちを止められない。
「この扉は……」
「扉がどうした!?」
下層から放たれる光の矢を日本刀《銀ノ月》で弾きながら、門を調べていたユイの驚愕の声に問い返す。……その声色からして、あまり歓迎出来ない事態であることは確かだが。
「……この扉は私たちには開けられません。システムの管理者によって、ロックされています……」
「――――!?」
俺とキリトの双方から、声にならない悲鳴のような息が漏れる。管理者による防壁とはつまり、世界樹の外層部を取り囲んでいるバリアのような――プレイヤーには侵入不可能な地域ということか。そう考えると全身の力が抜け、その隙に守護戦士たちの接近を許してしまう。
「しまっ……!」
急ぎポケット
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