第七十四話
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操る輸送用の飛竜は、百戦錬磨の戦士たちを乗せてアルヴヘイムの空を飛翔し――
――今、レコンが命がけでこじ空けた穴から出現した。
「よっしゃあ! 行くぜお前ら!」
カタナを持った壮年の男性プレイヤーが、連れ添った仲間たちを指揮しながら飛翔する。その背中を見ながら俺は――ショウキというプレイヤーは、まだ状況を把握できずにいた。
「HPを回復する方はこっちに! 魔法使いさんたちも連れてきてます!」
目の前の青い小竜を肩に乗せた少女プレイヤー――シリカが大声で呼びかけ、同乗していたらしいシルフのメイジ隊が俺にヒールの魔法をかける。もちろん、こんな格好の獲物を守護戦士たちが見逃すわけもなく、あっさりと俺たちが乗った輸送用の飛竜は取り囲まれる。
四方八方から光の矢が浴びせられるものの、ノームと見紛うほどの巨体をしたプレイヤーを始めとする、重戦士たちがあっさりと光の矢を弾いていく。返す刀で、接近してきた剣を持った守護戦士を斬り伏せ、あっさりと仕留めていく。
「攻撃がボスに比べりゃ軽いな!」
その間にも、軽装の戦士たちは続々と飛んでいき、代わりに今まで最前線で戦っていたプレイヤーたちが、重戦士たちに守られた輸送用の飛竜へと降りてくる。その中には、天蓋を塞ぐ蜘蛛と戦っていた、キリトとリーファも含まれていた。
「ショウキさん、キリトさん。さっきも言った通り、助けにきました!」
「シリカ……?」
輸送用の飛竜を操りながら、こちらを振り向きシリカが笑いかける。どうやらこの竜使いはキリトとも知り合いだったらしく、ヒールを受けながらキリトもそう呟いた。
「助けに、って……」
「エギルさんって方と対策部の人に言われて、みんな集まってきたんです! SAOを、今度こそクリアするために!」
なんて、私は攻略組じゃないんですけど――と、シリカは困ったようにはにかむと、正面に向き直る。重戦士たちが防ぎきれなかった光の矢を、シリカは輸送用の飛竜をバレルロールさせて避けつつ、ピナが泡を吹きかけて守護戦士たちを牽制する。
「助けに、か……」
最後に、ピナからヒール効果のあるブレスを受け、俺とキリトのHPが全回復する。もう一度、力強く日本刀《銀ノ月》を握り直すと、世界樹の向こうに続く天蓋を向く。数え切れないほどの守護戦士と、先程現れた巨大な鷹とその天蓋を防ぐ蜘蛛。
……そして、それらと戦うアインクラッドの戦士たち。
「――ナイスな展開じゃないか!」
はて、このセリフを言うのはいつぶりだっただろうか。ニヤリと笑うと翼を展開し、飛竜に近づいていた守護戦士を一刀両断しながら、一番に飛び立った剣士たちに合流する。
「そのお坊ちゃん面似合わないぜ、ショウキぃ!」
「猫
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