暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の百物語 畏集いし百鬼夜行
第九話
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かする必要もないわよ?」
「あ、うん……」

 手回しが良すぎる。もし俺がテンが訪ねてきた時点で既に学校にいたりしたら、どうするつもりだったのだろうか?

「あ、でもティアに連絡入れといてもいい?心配するだろうし」
「三枝さんから連絡は言ってるはずだから、それも必要ないわよ。とにかく、誰かに連絡することによる因果への接続は、もう少しの間全力で避けて」
「は、はぁ……」

 またよく分からない単語が出てきたけど、なんとなく真剣な様子からマジなんだということだけはわかったので、従うことにする。とりあえず、しばらくの間外への連絡は避ければいいのだろうか?どこまでやればいいのか分からないから、とりあえず携帯の電源は切っておくことにする。

「別にそこまでしなくてもいいのよ?」
「いや、ただ個人的に電話がかかってきたりしたのに出ない、とか言うのが心苦しいだけだ。こっちは、このままでいいのか?」

 俺がそう言いながらDフォンを見せると、テンは「それはいいわ」と言った。つまり、これがなんなのかは知っているということ。だとすればやはり、あの良く分からない現象にも関わっているのだろう。その辺りのことも、もう少し待てば話してくれるのだろうか?ってか、欠席するってことは意外と遠出するのか?

「ん、もう大丈夫よね、じい」
「ええ。既に八霧市を出て日影市に入りましたから」
「……つまり、八霧市から出てればいいのか?」
「そうね。基本、ロアの影響範囲は街だから」

 聞いたことはあるが、なんなのかは知らないワードが出てきた。ロアとは一体何なのだろう?まあでも、うん。そろそろ俺も、確証が持ててきた。というか、こうして会話をしていてわかったけど、やっぱり昨日、最後に聞いた声は……

「……なあ、テン。昨日俺、自分が殺される夢を何度も見たりしたんだけど、」
「あ、それあたしの仕業」

 ……えー、そんなにあっさりと?

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