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ヴォルデモート卿の相棒
9と3/4番線からの旅・前編
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るし…」
「最強の手札で勝負して何が悪い」
「負けてちゃ意味ないよ〜」
「ぐぅ……痛いとこつきやがって」

そんな感じで談笑していると、コンパートメントの戸が開いて、一人の男の子が入ってきた。くしゃくしゃの黒髪に眼鏡が特徴のどこにでもいそうな少年だ。

「……あっ、君達は」
「あん? 誰だよお前?」
「こないだマダムマルキンの洋装店で会ったばっかりでしょ!」
「あー、そういや会ったな…………あれは会ったと言えるのか?……まあ良いか、とりあえず座りなよ」
「え? う、うん」

促されるままに、黒髪の少年はクレスの鋭い眼に怯みつつ対面の席に座ると、少年はしばらく窓の外の赤毛の家族集団のやりとりをやや羨ましそうに、汽車が出発してから見えなくなるまでずっと眺めていた。

「…………(恐らく俺らと同じく親が……これを詮索すんのは野暮だな……)……そういや自己紹介すらしてなかったな。俺はクレスレイ・エシャロットだ」
「私はアレクサンドラ・マッキノンだよ!」
「あっ、そうだったね。僕はハリー・ポッター」

少年・ハリーの自己紹介にアレクは驚き、クレスは面白そうに笑った。

「えっ……あなたがハリー・ポッター?」
「ほぉ……つーことはお前がある意味アレクの恩人か」
「え? 恩人ってどういう……そういえばマッキノンってどこかで……」
「…私の両親は、私を生んですぐヴォルデモートに殺されたの……」
「あっ、そういえばハグリットがそんなことを……」
「まあお互い家族のことはこれいこう詮索しないようにしようや、何のメリットもねぇし」
「うん……君も両親がいないの?」
「まあな、お前ら二人とはちっと事情が違うがな」

親無き子同士三人で話しているとまたコンパートメントの戸が開き、赤毛のノッポの少年が入ってきた。

「ここ空いてる? 他はどこもいっぱいなんだ」
「大丈夫だよ〜」

アレクはにこやかに歓迎し、他の二人も特に異論は無いようなので、少年はハリーの隣に腰掛ける。やはりクレスの眼を見ると少々怯んだが。
その後すぐに彼の兄らしき双子の赤毛がやって来た。

「おい、ロン。俺たち、真ん中の車両辺りまでいくぜ・・・リー・ジョーダンがでっかいタランチュラを持ってるんだ」
「ハリー」
双子の片方がハリーに語りかけた。

「自己紹介したっけ?僕たち、フレッドとジョージ・ウィーズリーだ。こいつは弟のロン。そっちのお三方は?」
「私はアレクサンドラ・マッキノンだよ♪」
「俺はクレスレイ・エシャロット、寝ているこいつはジークフリート・ゴズホークだ」
「ひゃ〜、そりゃまたワケ有りの名家ばっかだな。それで君は何で僕達を睨んでるんだい?」
「生まれつきこういう目つきなんだよ」
「おっと、そりゃしっけい。それじゃ、
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