第18話〜矜持と気品〜
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するように一同に促すサラ。大部分が気乗りしていないようだが、ケインは自分の顔に親指を付きたて、若干のドヤ顔で「俺、いけますよ!」とアピールする。
「試合形式は4対4。アーツと道具の使用も自由よ!リィン、3名を選びなさい!」
「りょ、了解です」
そんなアピールをナチュラルにスルーされるが、リィンがメンバーに加えてくれるだろうと信じていた。
「な、何で・・・」
パトリックのいちゃもん、もとい意向もあり、リィン以外が平民男子ばかりのチーム構成になったが、そこにケインの姿はなかった。
「お前は体調が優れないだろう・・・くれぐれも無理はしないことだ」
取り残された平民出身として多少の疎外感を感じ、肩を落とすケインにユーシスが親切な忠告をしてくれる。
「了解。でも、ここのところ勉強続きだったから体を動かしてないと落ち着かなくて・・・そうだ、ユーシス」
「何だ?」
「今度、宮廷剣術の稽古に付き合ってくれないか?その、もし良かったらだけどさ」
「・・・フン、仕方がない。付き合ってやろう」
ケインとユーシスがそんな他愛もない会話を交わす中、T組代表の貴族生徒たちと、リィン、エリオット、ガイウス、マキアスによる模擬戦がサラの号令とともに開始された。
「ど、どうだ・・・これが僕たちの実力だ・・・・・・」
脱力した状態のマキアスが、肩で息をしながらも勝ち誇るようにT組の代表生徒達へ言い放つ。Z組の選抜メンバーズからは各々、息が上がっている様子が感じ取れるが、全員が立っていた。対するT組の生徒達は、膝をつかされている。「こんな寄せ集めどもに」などど毒づく元気はあるようだが、戦う気力は残っていないのだろう。敗北の屈辱からか、パトリックは歯軋りをしている。
「・・・いい勝負だった。あやうくこちらも押し切られるところだった」
そんな彼に、リィンは優しく手を差し伸べるが、
「触るな、下郎が!」
彼はその手を払いのけて立ち上がり、いい気になるなよ、リィン・シュヴァルツァー」と続ける。
「ユミルの領主が拾った出自も知れぬ浮浪児ごときが!」
おそらくは真実なのだろうが、彼の酷い物言いに顔をしかめるリィン。仲間を傷つけられ、ケインの不快指数が増していく。それは他のメンバーも同じようで、マキアスが「おい」と声をかけるも、聞く耳持たずだ。
「ハッ、他の者も同じだ!何が同点首位だ!平民ごときがいい気になるんじゃない!・・・ラインフォルト!?所詮は成り上がりの武器商人風情だろうが!おまけに蛮族や猟兵上がりの小娘までまじっているとは・・・!」
パトリックにとってZ組は目の上のたんこぶでしかないのかもしれない。だから、ただ揚げ足を取っているかもしれないが、彼の言い分は聞くに堪えなか
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