第18話〜矜持と気品〜
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が少なからず飛び交う。忘れろという方が難しい。
「コホン。とりあえず、それはアークスごとジョルジュに預けておくわ・・・詳しい話はそれからよ」
「・・・はい。俺はもう平気です。みんなも心配してくれてありがとう」
事件の被害者たる一同としては複雑な心境でサラを眺めていたが、当の本人は咳払いをして誤魔化した。元気そうな彼を見て安心したのか、他のメンバーは三々五々散っていく。今日は昼休みに中間試験の結果が開示されるため、どことなく落ち着かない様子のメンバーもちらほらいる。ケインはサラに現在体調が良好である旨を真摯に訴え、試験も口実に入れて自身の実技テストを延期することを条件に登校を許された。
「そう言えば、今日は・・・」
「マキアス、お手洗いは済んでいるか?」
「ああ。ついさっきな、ってだから子供か僕は!?」
「うん」
「この・・・」
学院の入学試験において主席の成績を修めたエマに勝つために努力を重ねたであろう次席のマキアス。落ち着かない様子であろう彼をひやかしたケインは、君にも絶対に負けてないなどと言ってくる副委員長を適当にあしらいつつ、学院へ向かうことにした。
−士官学院・グラウンド−
「くっ、まさかあんな結果になるとは・・・」
「あはは・・・」
悔しそうに拳を握り締めるマキアスを、エマが苦笑して見ている。彼はまだ自身の試験結果の事を引きずっているのだろう。ちなみに、エマ、ケイン、マキアスが学年同率首位。続いてユーシスが4位、アリサが9位、ラウラが18位、ガイウスが21位、それにアレスが続いて22位。リィンとエリオットも近差で前者が37位、後者が38位。ファミィは二日目から首位三人による補修が施されたが、一夜漬けでは限界があったため伸び悩み、61位。猟兵という背景を持ち、基礎学力で他より劣るはずのフィーは本人の頑張りやエマの助力もあって、点数も半分を超えて75位。クラス別の平均点も、T組を抜き去ってトップに躍り出た。結果が思わしくなかった・・・というわけではないはずだが。
「いや〜、中間試験、みんな頑張ったじゃないの♪あのイヤミ教頭も苦虫を噛み潰したような顔してたし、ザマー見なさいってね」
「別に教官の鬱憤を晴らすために頑張ったわけでは・・・」
「というか、教頭がうるさいのは半分以上が自業自得ですよね?」
男爵位を持つ貴族のハインリッヒ教頭は授業で政治経済を担当しており、分かりやすさに定評がある。規則に対して厳格で小言が多く、ナーバスな人だ。サラは服装や居酒屋で騒ぐなと言われたり、果ては彼女の婚期がどうだとかプライベートを結構つつかれたらしく、チョビ髭オヤジなどと揶揄して愚痴り始めた。
「ま、あのチョビ髭の話はともかく。早速、今月の実技テストを始めるとしま
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ