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ソードアート・オンライン-ゲーム嫌いの少女冒険譚-
アインクラッド編
託される思い 戦う意思
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あの後、私を背負ってコロシアムを後にしたゼノは、文句も垂れずに私を自宅まで運んでくれた。その道中で多少会話をしていたり私の部屋で食事を振る舞ったりなどしたが、今は語らずとも良いだろう。その話は、また別の機会としておこう。そして、自分の事やキリトやヒースクリフが載った新聞的なものに目を通して、私は暫く一人で居たかった。連絡を絶っていた訳ではないのだが、私はこうして時に一人になることが平静を得るのに一番適していると思っていたからだ。その間には、私の間に色々な出来事が起こっていた。こうして時は過ぎていった。次に大きく動き出したのは、あのデュエルからおよそ二週間後の事だった。


「【第75層攻略隊参加募集】か…もうそこまで来たんだ。」


それは一通のメールからだった。それには、75層を攻略する部隊の募集が掛けられていた。と言っても、そのうちの半数以上は血盟騎士団のような大手攻略ギルドが占有していることが多いため、私たちソロプレイヤーが攻略隊に参加するには、基本的に自己申告が多いだろう。それでも、一部のソロプレイヤーにはこうして招待状のようなものが送られてくるとのこと。過去の参加経験やトップクラスの実力を持つものを事前に調べているのだろう。集合場所は55層のようだ。ほぼ攻略関係での集合場所は決まっているから事前準備だけを軽く済ませて、後は55層近辺の店で足りないものを揃えよう。と決めた私は、いくつかの武器、防具を見直しつつ、55層へと向かった。


「偵察隊が半壊……これはやっぱり厳しい戦いになりそうね。」


まず告げられたのは偵察隊の半壊という事実。生存を一番の重きにしている隊でありながら、生存率が半分程度。更に今までの階層の事を考えればここは四半部分(クオーターポイント)だ。恐らくかなりの激戦になるものだろう。そうであるからか、最初から全力と言った様子だ。少なくとも、攻略ギルドのエース級とソロプレイヤーでも上位陣が集まっているのではと一見して思った。その中にはクラインさんのギルドもあれば、血盟騎士団入りしたらしいキリトやアスナ。いつもお世話になっているエギルさんなどの姿が見ることが出来た。そして私の悪友(なかま)のゼノと、私の知り合いも多く参戦する模様だ。


「さてと、レミーはどうする?この待ち時間をどう過ごす?」


「どうって言われても……基本的な準備は済ませちゃったから後は細々とした物を買うくらいよ?」


「だったら暫く俺に付き合ってくれへんか? ちょっと買いたいものがあるんや」


攻略開始まで大分時間があり、私はゼノにこれからどうするかと尋ねられた。基本的な用意だけは済ませていたから後は細かいものを揃える程度だったから時間は対して掛かりはしない。時間も余りそうだったため、彼に着いていくことにした。
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