暁 〜小説投稿サイト〜
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Round《3》〜オーバー・アンド・ソリッド〜
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 故にこの戦いは拮抗している。

 インパクトダメージの削りだけで勝敗が決まるか。

 それとも、どちらかが隙を見せるのか。

 剣戟が再び始まる。現時点でお互いのHPは五割を切り、遂にイエローゾーンへと突入を果たしている。隙を見せた方が、確実に負ける。

 そこで――――ついに、戦況が動いた。


「―――――ぁぁあああッ!!」

 ハリンの握る、二本の刀に、爆発的な光が宿る。

 《双刀》上位ソードスキル、《グラヴィティ・アーク》、二十連撃。

 刀スキルではほぼあり得ない、二十という《二刀流》スキル並みの連撃数であり、恐るべきはその全てが《刀》の基礎効果である恐ろしい切れ味を保有しているという事だ。総合ダメージでは、《ジ・イクリプス》に迫るか、下手をすれば抜く。

 ハリンの《疾風斬撃》と併せて、いまやその速度はトップスピードとなっていた。神速の斬撃がリュウを仕留めんと奔り出す。

「う、お、ぉ、おおおおおおおおッ!!」

 同時にリュウの両剣にも、淡い光がともる。それはリュウ自身を包み、高速で移動させた。

 《双刀》三次元立体起動連撃スキル、《トーデス・シュトラーフェ》。剣を自由自在に振り回して攻撃と防御を繰り返す、強力なスキルだ。

 難点としては、ハリンのスキルの方は繰り出した後に大きな隙ができる事。リュウのスキルの方は発動終了と同時に仮想の平衡感覚が大きく狂った事による吐き気を催すことだろうか。

 だが――――ここで、《幸運少年》の名が光る。

 リュウの連撃が止まらない。ハリンのソードスキルが終了しても、なおリュウの斬撃が止まらないのだ。
 
 そして――――ついにその刀身はハリンをえぐり。


「うわ……ここまでか」
「や、やっと勝った……うっへぇ、気持ち悪……」

 HPを削り取った。

【Fifth-Battle:Winner is ”Ryu”!!】

 同名スキル勝負は、リュウの勝利で幕を閉じたのだった。

 


 ***



 デュエル大会主催者にして、《人に在って人に在らざる者》を名乗る謎の青年に、彼が外敵を倒すまでの時間稼ぎを命じられた不運な青年――――《光闇の皇子》タツは、依然として不機嫌であった。

 理由は複数存在する。

 一つは、自らの力が――――《全知全能》が通用しないという、あり得ざるべき現象に遭遇したこと。

 この力は、かの翡翠色の少女が存在する世界のように、世界自体から拒まれない限り、あらゆる技能を無効化して自らのモノと出来る、絶対の力のはずだ。しかしあの男は、どういうロジックなのかによってその《全知全能》の干渉を回避した。

 一つは、その男自身に、良いようにおちょくられ
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