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ソードアート・オンライン-ゲーム嫌いの少女冒険譚-
アインクラッド編
〈二刀流〉vs『二刀流』
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クリフさんがまずは結論を述べてしまう。それに対して補足を行おうとするゼノ。なぜそこまで打ち合わせをしていないのに息を合わせたようにコメント出来るんだ……そんなことはさて置いて、剣戟を繰り出しキリトと攻めあう中で、解説陣の説明が始まった。
「例えばな? 剣と銃が選べるとして、どちらかを選んで相手と戦えるとしたら普通はどっちを選ぶ?」
「それは……もちろん銃よ。だって扱いやすいし、何よりも剣よりも【遠くから攻撃できる】じゃない。」
「そうやな、その通りや。剣と銃で戦ったら相手が余程の剣の達人とかそういうイレギュラーなことを除けば、基本的には銃が有利に決まっている。何故なら【遠くから攻撃できる】という絶対的なアドバンテージがあるからやな。それがもし無くなったらどうする? 例えば相手がいきなり接近して、そのアドバンテージが失われたりしたら。」
「そうなったら、距離を取るわよ。メリットがなくなってしまうもの。」
「なら今回の例や。剣と短刀だったら【遠くから攻撃できる】アドバンテージを持っているのは剣。しかし今はそのアドバンテージがない。」
「私の様に盾でも持っていれば、無理にでも体当たり(バッシュ)することで距離を取れたかも知れないが、キリト君にはそれを行える
盾
(
どうぐ
)
もない。」
「と言うことは、今はキリト君が不利って事!?」
「しかも向こうには剣を活かす距離が作れない……そろそろ終わるな。」
解説が一通り終わったのだろうか。剣戟を続けていく中で、その固くなった二刀の先をこじ開ける機会を伺う。キリトもこちらの手が分かったのか、剣を叩き付けて無理やりに距離を離した。距離は互いに10m程度。お互いに体力も精神力も摩耗して、恐らく次がラストアタック。確実に決める。
「さぁ、次で決めさせて貰うわよ!」
「いや、それはこっちのセリフだ。俺がここで決める!」
お互いに最後の声を張り上げて、両足に力を籠める。そうしてお互いに走り出す。キリトは両方の剣を前に出す突撃技だろうか?確か前のヒースクリフ戦で繰り出していたような技で迫ってきた。確かにこの距離では受けることも出来ないし、避けても追撃は避けられない。だから私は変則的に受けることにした。
真正面から迫ってくる二つの刃を一旦受けつつ、右足を先に出して私の体をキリトの下に潜り込ませる。体格の違いが功を奏した。そうして私が選んだのは下から上へのアッパー。多少ふらついたところに私の二刀を振るわせる。そして……
「一応勝った……でも本当に五分五分の勝負じゃないのが悔しいけど。とにかくめっちゃ疲れたー。」
結果として私が最後の一撃を決めて勝ちとなった。といっても、私は装備異常の特殊状況であった
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