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ソードアート・オンライン-ゲーム嫌いの少女冒険譚-
アインクラッド編
〈二刀流〉vs『二刀流』
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解説をやっているようだ。人様を舞台に上げておいて、自分たちは解説をやるスタイルのようだ。
「なるほどなるほど……それでヒースのおっさんはどう思う?」
「少なくとも、お互いの実力は拮抗していると見えるね。さっきゼノ君が言ってくれた通り、この戦いはレミー君がキリト君にない物も見せれば勝機はあるかもしれないね。」
「それはその通りやなぁ……レミーがキリトにない物を見せられるかどうか。それが今回のポイントってわけやな。」
戦い始めておよそ三分。解説も一通り落ち着きを見せている状況。お互いの体力ゲージは殆んど減ることなく剣を合わせ続けている。周りから見れば、私が一方的に攻められている状況。だが、このような状況でも周囲の熱気収まらないのは……
「レミー、やっぱり凄えよ。ここまで攻めても全く防御を抜けないなんて……ヒースクリフとは別の意味で〈固い〉よ。」
「お褒めの言葉ありがとう、キリト。〈二刀流〉はやっぱり見ているより体感する方が一番ね。」
この『攻め』と『受け』という二つの単純的な動作の繰り返しが、余りにもここに居るプレイヤーの限界値を超えていた。自分とは違う、という壁となった
閾値
(
いきち
)
を超えれば、それはまさしく至高の快楽のようなものだ。私とキリトとで行われる剣のやり取りは、今この時間だけでも、人々を喜ばせ、熱狂させ、興奮の渦へと引き込み誘い込む。
「さて……盛り上がってきていることだし、より一層速く、強くぶつかりましょう!」
「ああ、分かっている。行くぞぉ!!」
熱狂的な観客を作り上げた二人の
役者
(
プレイヤー
)
は観客を更なる熱狂へと誘い、呼び込み、燃え上がらせんと剣をぶつけ合う。単純にリーチで勝るキリトの剣を私は真正面から受けることは避けたい。レベル帯でのステータスは殆んど一緒だが、各個人で振れるパラメーターが違い過ぎる。殆んど敏捷性にしか振らずに後はしっちゃかめっちゃかに振っていた私とは別に、きちんと計画性を立ててパラメーター振りをしていたキリト。そこには大きな差が生まれる。例えば、レベルが1上がるごとに5の自由パラメーター配布できるものがあったとするならばここまでくれば雲泥の差に違いない。今の私では、キリトの剣を真正面から受けたらはっきり言って負ける。だから私は常に『単純な一撃で落とされる』というリスクを背負いつつ、戦っている。
私は剣を真正面から受けることはしない。そもそもリーチに倍以上の差があるのに、真正面から受けるのは余りにも危険だ。武器の攻撃範囲の長さ、広さは強さにほぼ直結していると言って過言ではない。私はその欠点を『相手の武器を受け流す』という方面で対策を施した。それはほんの剣と剣が触れ合う瞬間に、剣の特性と達人的な技量がなければ、到底成し遂げるこ
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