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Angel Beats! the after story
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答える。
「ははっ、彼は私なんかよりも技術的にも知識的にも上でしたね。ぶっちゃけますと、私はその頃医科大ではなく、普通の大学を目指してました。この事故をきっかけに医科大を目指し始めましたんです」
教授の記憶には彼の名前も顔もない。けれど、あの時の一つ一つの言葉、行動を鮮明に憶えている。教授にとって穴が空いているこの記憶は今の自分を形成している。
教授は前に一度思った。
運命とは皮肉なものだ。すべてを憶えていたら今の自分はいない。分かっているにしても皮肉としか言えない。
運命とは意地悪なものだ。
「そして、ついに私たちにも限界が訪れてしまいました。食料も尽き、飢えの状態で数日過ごした結果、体を動かすことすらできず、意識が朦朧としていました」
本来人間は食べ物がなくとも、水分さえ摂取していれば生きながらえることができるのだが、一人の不満が爆発したことにより貴重な飲み物を失うハメになってしまった。
もちろんその時は彼と私を除くすべての人が一人を罵倒し何らかの処罰を期待していた。
怒りを収めるために彼は自分の身を犠牲にすることによってその場を収めた。私も出来る限りの助力を彼に施した。
「それまで以上に絶望的な状況の中で、彼は私たちに一筋の光を教えてくれたのです」
「それは生きる方法ということですか?」
「いいえ、違います。希望といっても死んだその後のことを彼だけが考えていたのです。諦めではなく今できる最大限のことをしようとしていたのです」
生徒たちは考えを巡らせていたが誰一人としてそこには至らなかった。教授も生徒側だったとしても分からなかっただろう。
「臓器提供です。みなさんも知ってると思いますが保険証の裏には臓器提供の項目があります。彼は躊躇いもなく項目をペンで埋めていきました。私はますます彼に生きて欲しかったと思いました。
彼に続いて私も他の人たちも次々と項目を埋めました。悔いは残るかもしれない、それでも自分たちの死が無駄ではなくなった。意味を持ったことで存在意義を残せた。満足でしたね」
人々を希望の道に導く彼は教授には眩しい存在。
「その後、救助が来ました。水分のない私の体から涙が溢れてきました。生というものの大切さを知り、一緒に喜ぼうと彼の名を呼びました何度も何度も。けれど、彼は返事をしませんでした」
教卓に置いた資料に一滴の雫が落ち、濡らしていく。続いて二滴、三滴と。
教授の涙に生徒たちの中に鼻を啜る人がちらほらと出てきている。
「入院中に看護師に聞いた結果、事故にあった初期の段階で腹部に重症を負っていたらしいのです。本当に彼は自分を犠牲に私たちを生かしてくれたのです。
彼の臓器はすべて苦しんでいる人々のところを提供されたと退院する時に教えてく
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