第六章 颶風の巫女
第10話 激突する力〜地上編〜
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士道「よ、よし……すまん十香。少し離れてくれ」
十香「む……?」
十香が士道から数歩後ずさると同時に〈鏖殺剣〉を両手で構え、風を切り裂くように一閃させた。
士道「はぁぁッ!」
だが、〈鏖殺剣〉は最初の時のような光は発しなかった。
士道「くっ……上条、手伝ってくれ……」
上条「……無理だ。ただでさえ残り魔力が少ないってのに、俺は異能の力を消し去るんだ。触った瞬間、全てが無駄になる」
士道「っ……。あ!じゃあ、十香!十香が〈鏖殺剣〉を握ってくれ!そしたらーー」
十香「……無理だ」
士道「え……?」
士道の言葉にすぐ否定した。
十香「それはシドーの『願い』で召喚されたものだ……今の私では扱えん……」
士道「じゃ、じゃあどうすれば……」
上条も、十香も、そして士道自身もこの〈鏖殺剣〉を扱えないとなれば……もう手がーー
と、諦めかけた時。
上条・十香「『願い』……」
士道「え……」
上条と十香の言葉が重なった。
上条「士道!今、お前がしたいことを強く願え!」
士道「は……?それはどういう……」
十香「その〈鏖殺剣〉はシドーの『願い』で召喚されたものだ。ならばその『願い』を叶えるのは、シドーの他に誰がいよう?」
士道「俺、が……?」
十香「うむ。心を落ち着けて思い出せ。シドーが何をしたいのかを」
上条「些細なことは考えるな。士道の気持ちは一つしかないだろ。あとはそれを強く願うだけだ」
士道「…………」
士道がしたいこと。願いたいこと。
それは、
耶倶矢と夕弦をーー
士道「はぁぁぁぁぁッ!!!」
裂帛の気合いと共に〈鏖殺剣〉を空めがけて振り下ろした。
〈鏖殺剣〉から溢れでた光は描いた斬撃を延長するように空に向かって伸びていき渦巻いていた雲が真っ二つに分かれた。
そして、ピタリと風が止んだ。
耶倶矢「な……」
夕弦「焦燥。これは……」
耶倶矢と夕弦が今の斬撃の出所を探り、下方に目を向けてくる。
耶倶矢「今の……まさか士道!?」
夕弦「驚愕。凄まじい霊力でした」
一撃。
たったそれだけなのに全身が軋むように痛んだ。
だけど、このチャンスを逃すわけにはいかない。
士道「耶倶矢、夕弦……頼む、戦いをやめてくれ!!」
耶倶矢「……あんた聞いてなかったの?真の八舞を決めなきゃいけないって」
夕弦「同調。その通りです。真の八舞に耶倶矢が相応しいと教え込んでるのです」
耶倶矢「っ!
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