四十七話:ヤンデレイリナちゃん
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はボンゴレファミリーの威信がかかっているんだ。敵の前で無様にその背中を晒すわけにはいかねえ。俺はニヤリと笑い銃を構える。さあ、どこからでもかかってきな! そうして構える俺に対してイリナは何やら思案顔をして突如何かを思いついたように声を上げる
「やっぱり、殺し愛はやめてイッセー君を捕まえて既成事実を作った方がいいかな」
「カストカゲ、逃げるぞ!」
『敵前逃亡はしないのではなかったのか? 相棒』
俺は過去を振り返らねえ男なんだ、そんなことは知らねえな。そもそもあれは敵なんて生易しい物じゃねえ、もっと恐ろしい何かだ。というか、殺気は収まったがさっきよりもヤバい目で俺を見て来るイリナから一秒でも早く逃げ去りたい。時折『子供は十人位欲しいかな……』とか聞こえてくるのは全て幻聴だ。そうだ、そうに決まっている。
「ロール、形態変化よ」
イリナの呼びかけに反応して『雲ハリネズミ』が光り輝き変化を起こし始める。そして光がやんだ時にはイリナの手には棘付きの手錠が握られていた。あの手錠は変幻自在に大きさを変えたり、瞬時に増殖して何重にも相手を縛り上げることが出来る物だ。……俺は何故、ヤンデレ気質のイリナに拘束具という絶好の獲物を与えてしまったんだ。まるで俺があいつに縛られるために送ったみてえじゃなえか。
((((え、違うんですか?))))
(当たり前だ!)
久しぶりに出て来たと思ったら何を考えてやがんだ変態共は、一体全体、俺をどんな人間だと勘違いしたらそんな発想に辿り着くんだ。さも当たり前のように聞き返して来るこいつらも胃痛の一部ではあるが今解決しねえといけねえのは、ゾッとするような笑みを浮かべて目の前にいるイリナの方だ。
「イリナ、落ち着け。そういうのは俺達にはまだ早い!」
「イッセー君……今度はヴァーリに告白されたんだよね?」
「なんでてめえが知ってんだ!?」
「私はイッセー君の事なら何でも知っているよ。だって―――ダイスキナンダモン」
目から光が消えてゆっくりと俺に近寄って来るイリナ。俺はそんなイリナの姿に思わず恐怖してしまい、一目散に逃げ出す。俺は何が何でもこのヤンデレ幼馴染みから逃げ出してやる! 何が何でもな!
「俺は……無力だ」
結論から言うとすると、普通に逃げられなかった。普段のイリナなら逃げることも出来ただろうが今日のイリナは凄まじい力を発揮して俺を捕縛してきやがった。俺も最大限に抵抗したんだが全ての攻撃を粉砕されてあえなく御用となったわけだ。
今のイリナの状態は名づけるとするなら、超ヤンデレモードだな。普段よりも遥か
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