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リリなのinボクらの太陽サーガ
ラジエル
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通るために、ここでよく採れる太陽の果実“赤いキノコ”を使って体を小さくすることにした。
ただ……これまでの旅でサバタは太陽の果実を一切口にしてないから、薄々わかっていたけど、彼は今回もこの変わった太陽の果実を食べようとしなかった。以前、面白がったエレンと二人で嫌がる彼にぐいぐい押し付けてみたら、「人の嫌がる事をするな!」って怒られてしまった事がある。

「もうわかっているだろう……俺の体は太陽の果実を受け付けない体質なんだ。俺の場合、太陽の果実を食べても効果が出ないどころか腹痛になる。すまないがおまえ達二人で先に進む道を開いてくれ」

「サバタが頼るなんて珍しい。期待に応えないとね、ザジ」

「うん、うちらに任せといて」

そんなわけで通風孔を通れないサバタは待機で一時別行動。エレンと一緒にうちは“赤いキノコ”を使って抜け道を通っていく。その途中、ふとエレンが凄い事を尋ねてきた。

「ザジってさ、サバタの事がかなり好きよね?」

「っ!? い、いきなり何てことを言うの……!? って、何で顔が熱くなってるの!? ち、違うから!? うち、そんなんじゃないから!?」

「じゃあ嫌い?」

「そんな事は無い!」

「やっぱり好きなのね。断言してるし、普段の雰囲気からバレバレなのよ、あなた」

「だ、だからそんなんじゃなくてぇ! もう、何でいきなりこんな話をするの?」

「……旅が……もうすぐ終わる」

「あ……!」

「わかってるんでしょ。あなた達が一緒にいられる時間は、もう残り僅かだってこと。旅が終わって別れる前に、ちゃんと気持ちを伝えた方が良いわ。好きだって……一緒にいたいって……ずっと隠したままだと、伝えられなかった事を後悔するわよ、きっと」

「エレン……」

彼女は……とっくに気づいていたんだろう。そしてサバタも……薄々感づいている。世間的にうちは魔女だし、まだ10歳だからこの感情を抱くのは早すぎるかもしれない……でも、好きだという心に嘘はつきたくない。
この気持ちが恋なのか愛なのかなんて関係ない、ただ素直な気持ちを伝えるだけ。自分たちが子供だろうが、芽生えた感情は純粋で本物なんだから。

「……ありがとう。うち……言うね、この気持ち。きっと一人じゃダメだった……でもエレンのおかげで踏ん切りがついたよ」

「そう……気持ちを伝えられるって、それだけで幸せな事よ。突然の別れなんて、この世の中ではよくある事だもの」

「確かに不測の事態もあり得るからね……丁度いい機会として『風竜の翼』を手に入れた時に言うよ」

そういう事でエレンに発破をかけられたうちだけど、今度はこの気持ちを伝えた答えが気になってしょうがなくなった。“星読み”を使えば未来を読む事が出来る……い、いやいや、そんな使
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