ラジエル
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俺が救ったのかと言われると疑問が残るが、俺の命を捧げると誓ったカーミラに捧げられなかった以上、彼女の遺言の通りに今度はあの二人に俺の命を捧げよう。
違う世界にいるのにどうやって捧げるのかは、流石にわからないが……。ま、あいつらがもし“こちら側”に来たのなら、全力を以って守る。何があっても、俺が絶対に……。
「サバタ兄ちゃん……」
「……ああ、そうだ。はやても、ネロも、フェイトも、アリスも、だったな……」
「……?」
この世界にも、俺が守ると決めた存在がいる。彼女達なら未来でザジとエレンに会えるかもしれない。世界にはそういう無限の可能性があることを身を以って体験している。
さて、僅かな希望に賭けてみるとするか。
「どうした? 今朝はやけに嬉しそうだな」
「……懐かしい夢を見ました。私の根幹となった旅の、唯一無二の親友達と過ごした温かい思い出を」
「ふむ、そうか。大事にしろよ、そういう大切なものはいつまで経っても色あせないものだからな」
「そうですね。今の私があるのは、その時の仲間達のおかげですから」
「……プライベートの時間は終わりだ。任務完了により本艦は本国へ帰還する、作業に入れ」
「はい、閣下」
時空管理局帝政特設外務省、通称アヴァランチ、第13紛争世界突入二課大尉にして全時空万能航行艦『ラジエル』司令官サルタナの副官。それが彼女……エレンの今の立場であった。そしてコバルトブルーの髪をたなびかせる彼女は新たな立場を得て、知人の手の及んでいない領域の戦いへと赴いていた。
「(それにしても今、この夢を見たという事は……もしかして二人のうちのどちらかが“こちら側”に来ているのかしら? そうだとしたら、会えるのが楽しみね……ふふふ……)」
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