誓約
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たちがこう言ってくれるのはスンバラシィ名誉なんだぜ!? 光栄に思えよ!」
……RPG風に簡単に言えば、船が手に入ったようなものか。まだ続く旅路の事を考えると実にありがたいな。アンデッドを街に入れる訳にはいかないから、陸地には俺達だけで上がる事になる。ま、それでも十分だ。
「……ザジ、力は使えるか?」
「右腕が使えないけど、やってみるよ。それと……もう降ろしても良いよ」
「すまん、つい背負ったままなのを忘れてた」
「もう……。……でも……またおんぶしてくれたら嬉しいかな」
耳元でそんな事を小さく呟いてくる彼女を、ひとまず甲板上に降ろす。彼女は左手で杖を握り、天に掲げる事で、“星読み”を行った。
「……読めたっ! ここから南の島、山の中腹にある火口付近への近道の途中、そこに次の探し物があるよ!」
「今回の“星読み”は随分位置が細かいな。どうやら星読みの腕も上がったようだな」
「素直にそう褒められると、流石のうちも照れるわぁ〜! 年頃の乙女をナチュラルに口説かないでよ〜♪」
「……ふぅ」
「ため息つかないでよ……空元気でも明るくしないと、うちはサバタのように強くないから、不安で心が押し潰されそうになっちゃうんだよ……」
「…………そうか」
魔女の力がある以外は普通の少女として育ったザジは、きっと誰よりも他人を気遣い、誰よりも優しい人間だ。俺のように戦いに特化した精神をしていないから、当然心の弱さも吐露する。しかしそれは真に“弱い”訳では無い。自分の弱さを口に出来る、それは“強さ”なのだ。
俺は……どうなんだろうな。“弱さ”に負けない“強さ”を求め続けているが、果たしてそれで“強い人間”になれるのだろうか? 今はわからないが、この道が間違っていると自分でそう思ったなら、その時は彼女こそが俺を導いてくれるのかもしれない。
「南の島か……不謹慎かもしれないけど、バカンス出来そうね」
「海で遊ぶの? うち片腕折れてるけど、大丈夫かな?」
「その件だが……安全ならしばらくそこで休養を取ろう。流石に骨折したまま旅を続けるわけにはいかないしな」
「あ……ありがとう……」
「私もあなた達と親睦を深められる良い機会になるわ。一緒に旅をするのなら、互いに仲良くなっておきたいもの」
「え? エレンも一緒に来てくれるの?」
「あら、私が旅についてくるのがそんなに意外?」
「そ、そんなつもりじゃないって……」
「仇を討ったのだからビフレストに戻ると、俺はてっきり思っていたが?」
「まあ……そうね。でも今、あの街に戻るわけにはいかない。私がいたら余計な火種になってしまう……でも、ほとぼりが冷めたら街の再建を手伝うつもりよ。罪の意識がある以上、それぐらいは
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