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リリなのinボクらの太陽サーガ
星屑編 導入
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カラカラカラカラ……。

人狩りの引っ張る荷台の車輪の音が、舗装されていない地面を進む振動で響く。横たわっていて揺らされた事で意識を取り戻したうちは、パーカーにスカートという服装は変わっていないが、代わりに牢獄のような荷台と繋がる鎖の着いた手錠と足枷が嵌められて逃げ出す事が出来ない自分の状態を把握し、深く嘆息する。

「両親に捨てられて、挙句の果てに最底辺まで落ちぶれた、ってこと……。はっ、魔女にはお似合いの末路だね……」

いっそここで舌を噛み切って自殺でもしようかと考えたけど、いざしようと思っても両親に与えられた死の恐怖のせいで踏ん切りが付けられず、結局未遂に終わった。魔女の力があってもうちは何も出来ない弱い人間、周りを包む暗闇がそう告げている気がした。

薄暗い荷台の中にはうちと同じく、人狩りに捕まって運命が決められた人間が複数いて、彼らもまた、人生に絶望している表情だった。まあ別にヴァンパイアが襲って来さえしなければ、所有者の下である程度まともな生活が出来るのだから、そこは運次第だろう。
だけどうちには異能、魔女の力がある……。この世紀末世界において、食べ物はそこまで豊富じゃない。魔女に食わすぐらいならさっさと殺してしまえ、という風潮が強く、場合によっては支持者を増やすために見せしめとして処刑される可能性だって十分ある。

要するにお先真っ暗。もう人生ヤケクソに思えて、このままどこまで落ちていくのか逆に楽しみになってきたよ。ま、強いて後悔があるとすれば……。

「……サバタに“星読み”の結果、伝え損ねちゃった……」

もううちに自由は無い、だから彼に伝える手段は無い。最初頼まれた時に素直にやっておけば良かったと、今更ながらに思う。でも……彼との時間はここ数年の間で最も有意義で楽しく、充足していた。また……会いたかった……話したかったなぁ……。でもそれはもう叶わない願い。後に待つのは……『死』だけ。

「……やっぱり、諦められない……もう一度……会いたいよ…………サバタ………………助けて……!」

そうやって未練が残るうちは、人狩りに捕まった魔女の分際で、叶うはずの無い事をつい天に願った……。

カラカラカラカラ……ガタンッ!

「な、なん――――んごっ!?」

「操舵手がやられた!? 一体どこから――――へぶっ!」

「チクショウ、ヴァンパイアの襲撃か!?」

「いや……アンデッドがいない! ならこれは人間の―――どふぅっ!!」

メキッバキッドカッグシャガリッボギンッ!!

外から肉を叩くような打撃音と、何かを砕くような音が断続的に響く。かなり激しい足音が多く聞こえる中、一つだけ他より軽い足音があった。その足音がする度に先程の打撃音が聞こえ、人の身体が地面に崩れ落ちる音がして他
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