祝福
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達を見つめる。
「大丈夫だよ。皆無事だったんだから……これ以上哀しい出来事が起きなくなったと考えれば、むしろ昨日頑張って良かったと思うの」
フッ……なのはは、強いな。だからこそあの時、“外”を任せられたのだ。子供だからと戦いから遠ざけるのは別に悪い事では無い。しかし自分で決めた事を、他人の理屈で強引に捻じ曲げるのは違う。ジュエルシードの一件から彼女は一端の戦士となった。彼女はもう、誰かに守られるだけの弱い存在じゃない。
「さて、昨日のケジメも付けた所で、そろそろこれからの事を決めるとしよう」
「せやね。でもその前に昨日の約束を果たすで」
はやては管制人格に向き合い、告げる。
「約束した通り、あなたに名前を付けてあげる。……闇の中に吹く祝福の風、リインフォース」
「はやてが言ったなら俺も告げよう。その身に憑りついた暗黒を克服した者、ネロ」
リインフォース・ネロ。それが生まれ変わった彼女の新たな名前、そして……光の未来を掴んだ証。それを受け取った彼女は、これまで空虚だった心に染み渡るように喜びの顔を見せてくれた。
「感謝します、我が主……兄様……!」
「なんでネロまで俺を“兄”扱いなのか、もう訊くのも面倒だ。それより約束を果たした事で、むしろここから本題だ。闇の書は管理局から見て、どういう扱いなのだ? 口にするのは辛いだろうが、話してくれ」
「はい……既にご存知かと思われますが、闇の書は次元世界に多くの悲劇と破壊をまき散らしました。故に見つけ次第封印を図る程で、これまで将達が幾度となく戦ってきた間柄です」
「なるほど……となると既に闇の書ではなくなったとはいえ、おまえ達の存在が管理局に明るみになれば面白くない事態が起きるな……」
「というと?」
「具体的には管理局だけでなく次元世界の戦士総出で襲撃を受ける可能性がある。また、以前の主の下で行った騎士達の襲撃などの件で過去の被害者からのバッシングもあり得る。要するに“呪い”を始末した所で、全て解決という事にはならないのだ」
改めて事実を告げると騎士達が暗い表情を浮かべるが、現実を見なければ平穏など掴み取る事は出来ない。ま、既に代償は払った、後はどう終着させるかだ。
「……ヴォルケンリッター、おまえ達に訊きたい」
「私が答えます、兄上殿。それで質問は何でしょうか?」
シグナムが騎士代表として返事をする。そして……おまえもか。別に今更どうでもいいが。
「率直に言う。“夜天の魔導書”という名前と“闇の書”という名前に拘りはあるか?」
「? どういう事ですか?」
「質問に質問で返すのは関心しないな。で、どうなんだ?」
「……主さえ守れるのなら、条件次第で何とか……」
「そうか」
「
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