祝福
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。それに唯一闇の書の内部での出来事を……真実を知っている。それも恐らく関係していると思う。あれぐらい……とっくの昔に覚悟しているのにな。
まあいい……もう起きよう。
はやてと彼女をひとまとめにしてから布団から出て、朝食を作りに降りる。人数が倍になったから材料が足りるか不安だったが、味噌汁を多めにすれば十分な量になった。
目玉焼きやソーセージを焼いている音と匂いで、リビングで寝ていたなのはが寝ぼけ眼ながらも目を覚ます。
「おはよぉ……」
「おはよう、なのは。すぐできるから、さっさと洗面所で顔を洗って来い」
「わかったぁ……」
「それと……昨日はよく頑張った、感謝する」
「む〜? ……うん、だいじょ〜ぶ……」
低血圧なのか意識がはっきりしておらず、返事がおぼつかないが、褒められる事はさっさと褒めてやった。トランス・ダークを使った事に関しては釘を刺しておく必要があるが、極限状態で生き残るためだったのだから仕方ないと思っている。
彼女が起きた後、時間を経て他の奴らも起きてきた。テーブルに並ぶ朝食を見て、騎士達は「プログラムの自分たちに食事は必要ない」と言ったのだが、それをはやて達が一喝。皆で食卓を囲むと一層美味しいから、といった説教を行った。ある意味主の命令でもあるので大人しくテーブルを囲む彼女達だが、なのは達が美味しそうに食事を始めると、興味津々だったヴィータを皮切りに彼女達も食事をしてくれた。
「うめー! このご飯、ギガウマだ!!」
「本当に美味しいわ。これ私でも作れるようになるかしら?」
「ふむ、我らがこのような温かい食事を得られるとはな……」
「ああ、こう胸の辺りが温かくなる、そんな食事だ……」
「……兄様は、本当に何でもできるのだな……」
「俺のはともかく、はやての料理も美味いぞ」
「マジか!? じゃあ、すっげー楽しみにしておくぜ!」
「オッケー! 盛大に腕を振るって美味いご飯作ったるから楽しみにしとき、ヴィータ!」
世紀末世界を知る俺だから、彼女達の境遇も他の誰よりも理解が及んでいる。劣悪な環境や、性悪な主に遭遇した事のある騎士達だからこそ、こういう何でもない光景が新鮮に思えるのだろう。緊張の無い穏やかな微笑みを浮かべる彼女達を見て、はやても充足したように嬉しそうだった。この笑顔が守れるなら、俺がここにいる意味もあったと言えるものだ。
食事を終えた所で、互いを見合わせて頷き、横に並んだ騎士達はなのはに向かって頭を下げた。
「すまなかった」
「悪かった……」
「ごめんなさい」
「すまねぇ……」
「申し訳ない……」
それが昨日の謝罪であると理解したなのはは、責めるような事はせず、にこりと太陽のような笑顔で彼女
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