祝福
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魔導書ではなくなっている」
「闇の書となってしまっていた経緯から考えれば、元からその通りだろうな……」
「いや、鉄槌が想像しているのとは違う。具体的に言うと……今回の件で夜天の魔導書を構成していたプログラムの大半が消失しているから、私とそなた達守護騎士がいること以外はまっさらなストレージデバイスに近い状態となっている。実際、転生機能も失われている」
「簡潔に言えば、我々が存在するための必要最小限の機能以外がほぼ全て消去されたような状態なのか……」
「一応言っておくが守護騎士システムは基本的に無事なため、そなた達の戦いの技量は一切影響を受けていない。だが私は書の記録を失ったので、ほとんどの魔法が使用できなくなっている。無論、再度蒐集すれば主諸共その魔法が使えるようにはなるだろうが、平穏に暮らせるというのにわざわざ戦いを招かなくても良いだろう」
「……確かにその通りね。はやてちゃんを無暗に危険にさらしたくないのは、私も同じよ」
確かに、闇の書なんてものはこの前やってきていた管理局から見てみれば危険の高いロストロギアだろうから、変な干渉をされたくないのなら極力大人しくしておくべきだろう。彼女達も平穏な生活を望んでいるみたいだしね。
パタリ。
「あ、主ッ!?」
難しい話をしていると、急にはやてちゃんが倒れた。シャマルさんが慌てて容体を調べると、リンカーコアの魔力をいきなり大量使用した事で、身体に疲労が溜まってるのだそうだ。それで疲れて限界に達した今、ぐっすり眠っている訳である。
「ひとまず……もう寝よう。既に深夜2時を過ぎている、この通りはやても眠っているし、アリサもすずかも船を漕いでいる。これ以上は明日に回してくれ。布団は用意しておく」
私達の様子を見てサバタさんの気遣いに大人しく頷く騎士達。寝る場所は彼が用意したらしいけど、私達はもう眠かった。救急箱は結局役に立たなかったけど、そんな事はどうでもよく、欲求のまま眠りの世界に私達はダイブした。
あれ、はやてちゃんはサバタさんの所で寝てるのかな? ……ま、いいや。おやすみなさい〜。
・・・・・・・・・・・・・・・・
〜〜Side of サバタ〜〜
一大イベントが昨夜起きた翌日の朝。騎士達にはスペース的に余裕があった俺の部屋で寝てもらった。気絶したのにはやてが俺の服を掴んで傍から離れようとしなかったので一緒の布団に入り、主が近くに居る事で騎士達も素直に寝てくれた。ただ……布団を用意しておいたにもかかわらず、管制人格の彼女が俺の布団にいつの間にか入り込んでいた。おいおい、子供か、こいつは……。
……いや、彼女は常に主を食い殺す呪いを前に、ずっと無力を感じ続けてきた。それが覆された今、改めてヒトの温もりを味わいたいのかもしれない
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